ミルキーベリーとは
◆ミルキーベリーの来歴
「ミルキーベリー」は栃木県が「初恋の香り(和田初こい)」をもとに開発した栃木県オリジナル品種となる食味の良い白イチゴで、正式な品種名は「栃木iW1号」といいます。育成の過程は以下の通りです。
2011(平成23)年 「初恋の香り(和田初こい)」の果実から育成した実生群から、果皮が白く果肉が硬い物を選抜。
2012(平成24)年 選抜したものに果皮色が淡赤色で食味がいい「09-52-1」の花粉を交配。
栃木県のアサヒファームで土耕栽培されているミルキーベリー(栃木iW1号)
2013(平成25)年 得られた実生群から「13-W1-2」を選抜。系統選抜試験、特性検定予備試験、特性検定を行う。
2016(平成28)年 系統名を「栃木白1号」とし、系統適応性検定実施。
2018(平成30)年 「栃木iW1号」として品種登録を申請
2019(令和元)年 名称(商標名)が「ミルキーベリー」に決まる。
2021年3月現在、まだ品種登録は確定していませんが、2019年より試験栽培が始まり、2020年から県内の生産者に向けて苗の販売が始まっており、限られた農園では「ミルキーベリー」として生産販売も始まっていますが、まだ数が少なく市場にはほんのわずかしか出回っていません。
栃木県としては同じ年に登録出願され、デビューした「とちあいか」とともに、現在主力品種である「とちおとめ」や、プレミアム感のある「スカイベリー」と共にイチゴ王国・栃木のオリジナル品種として今後栽培農家を増やしていくため力を入れています。
名称はこのイチゴの『ミルクのように白く、まろやかな食感と甘さ』に因んでいるそうです。
◆ミルキーベリーの特徴
「ミルキーベリー」は平均果重20~21gと「スカイベリー」ほどではありませんが「とちおとめ」よりも大きく、形は円錐形。
最大の特徴は果皮の色が白みの強い黄白色で種子は赤色に着色することです。果皮の色は未熟なうちは緑白色で、熟期が暖候期では桃色に着色する傾向があります。
果肉はほぼ真っ白で肉質は緻密、硬さは「とちおとめ」と同じくらいとなっています。
食味的には、糖度は「とちおとめ」と同じくらいですが酸味が少なくまろやかな味わい。名称の発表時に福田富一知事は「イチゴのようでイチゴでない味。まるで完熟したキウイフルーツ」と表現されていました。
30g以上の果実の発生率が高く、商品として出荷できる収量は「とちおとめ」より優れるとのことです。
◆実際に食べてみたミルキーベリーの食味
今回撮影、試食した「ミルキーベリー」は栃木県大田原市の(株)アサヒファームさんから送っていただいたものです。まだ収穫量が少ないため、「ミルキーベリー」単品種での販売はされていないとのことでした。
アサヒファームさんでの栽培の様子などをブログで紹介しています。
まぼろしのイチゴを求めて! ーいちご王国栃木紀行ー
イチゴは光に当たっていたであろう面がほんのり黄色味を帯びているものと桃色に色づいているものがありました。どれも見た目がとても可愛らしいイチゴです。
食べてみると・・・
確かにイチゴと思って食べるとイチゴらしくない味わいです。かといって美味しくない訳じゃなく、なんか美味しい。そう、香りがイチゴっぽくないというか、なんだろう・・・。糖度自体はあまり高そうではないけど酸味がとても控えめなので甘いです。まさにクリーミーな味わい。不二家のミルキーを思わせるような感じでした。
白イチゴは赤いイチゴとのコントラストが美しく、中でも「真紅の美鈴」のような赤い色が濃いイチゴと並べると綺麗です。色々なスイーツでも、あえて淡い白イチゴだけで作るのもアリですが、二色紅白でつかうのも良いですね。
●ミルキーベリーの主な産地と旬
◆主な産地と生産量
「ミルキーベリー」は栃木県が開発したオリジナル品種で、2021年3月の時点で県外の許諾は行っていないので、栽培されているのは栃木県内のみとなります。
本格的な苗の販売が始まったのが2020年からなので、生産量はまだわずかですが、この見た目と食味、そして収量性も良いということもあり、県としても「ミルキーベリー」が観光いちご園や直売所で、新たなアイテムとして活用されることを期待し、奨励しています。
今後 栽培する農家がどんどん増えてくると思います。
◆ミルキーベリーの収穫時期と旬
「ミルキーベリー」の収穫は無加温のハウス栽培であれば通常1月中旬ごろからで4月頃まで続きます。
食べ頃の旬は2月~3月です。観光農園でのいちご狩りでも人気が出そうですね。
*https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fruit/Strawberry-Milkyberry.html より
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