朝一番のオリンピアの遺跡。ところどころにパネルが立ち、たくさんの観光客がやって来なければ、ここが古代オリンピック発祥の地であることなど想像もつかないくらい静かな場所だ。
オリンピックという言葉が持つはなやかなイメージとは裏腹な山間部。それでもたくさんの樹木の合間にはかつての神殿や競技場跡が残る。遺跡の入口を入ってまず目の前に現れるのは、選手たちの練習場。そしてその奥に各種競技場が続く。
今では円柱やその土台が残るのみの廃墟と化したこの地で、2,800年ほど前にゼウス神への奉納試合として開催されるようになったというのが古代オリンピック発祥の定説。
今と同じように4年に1回開催された当時の競技種目は短距離走、レスリング、円盤投げ、槍投げ、競馬や戦車競技など。選手は出身都市国家の名誉をかけて出場したといわれる。このへんは現在とそうかわらない、ね?
さて、遺跡の中心がここゼウス神殿。今では見る影もない廃墟だけど、かつてはアテネのパルテノン神殿に匹敵するほどの規模だったと考えられてる。
後の時代に起こった大地震で全て崩れ落ちた円柱とその土台はまるで竹輪の輪切り?それでもこんなものに歴史の哀愁を感じる。この奥には当時の評議会場跡が。全選手が宣誓した場所だ。
ゼウス神殿の正面に回り込むとそこには聖火台、そして表彰台として用いられたと考えらる土台が残る。
さぁ、遺跡を進むとそこには石のアーチ。ここが競技場(スタジアム)への入口だ。
アーチをくぐると現代のものと何ら変わらない競技場が。ただし2万人収容したといわれるこの競技場に入れるのは男性だけだった。何しろ当時の競技は何も身に着けない裸で行われていたっていうし?
石造りのスタートライン。ちょっと走ってみますか。では位置について、よ~い、ドン!
ところで優勝者には古代からここに生息していた野生のオリーブの枝を編んだこんな冠が与えられたとか。現地ガイドのケティさん、友情出演ありがとう。
そしてここがゼウスの妃であるヘラを祀った神殿跡。ギリシャに残る神殿としては最も古いものだ。時を経た現代オリンピックの聖火はここヘラ神殿で採火され、オリンピック開催国へと運ばれる。遥かなる時代に想いを馳せながら、聖なる火が本当の意味で各国を結びつけてくれることを祈らずにいられない。
←次回オリンピックの際には思い出してね。
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