早朝、ホテル中に響き渡る勢いでけたたましく警報が鳴った。たまたまレセプションでチェック・アウトしていた私も耳をつんざくようなその音に思わず固まった。一体何事？
様子を見てたら、どうやらエレベーター内からのＳＯＳらしい。はは～ん！レセプションの人間も慣れた感じでポーターを呼んだ。「また止まったわ」やっぱりね…でも私のお客様でないことを願うわ。
この国の建物は何たって古い。観光客が増えたからとてエレベーターを増やすとか、大きなものに換えるなんてことはそうそうない。いや、できない。だからよっぽど郊外の新しいホテルでもない限り、4・5人も乗れば重量オーバーになる位小さなものがほとんどだ。
だから収容人数も多く性能のいいエレベーターに慣れてしまってる日本人はよく重量オーバーを起こす常習犯だ。ホテルにチェックインする度に添乗員はその点を注意される。「エレベーターは4人以上乗らないように言ってちょうだい！」ってね。ハイハイ、わかってマス。
無理矢理こじ開けたエレベーターからは出て来る出て来る、一体何人乗ってたの！幸いにも救出されたのは日本人ではなくスペイン人。定員をはるかに越えて、しかもみんながスーツケースを持ってるんだもの、止まって当然。最初から動かなきゃいいのに一度は動き出すから始末が悪い。でもそれがイタリアよ。ハハハ…
よい子のみなさ～ん、イタリアではエレベーターに押しかけないようにね！
オリーブの葉っぱ
