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新国立の担当局長辞職へ 撤回で事実上の更迭か
下村博文文部科学相は28日、新国立競技場建設の担当者だった久保公人スポーツ・青少年局長(58)が辞職し、後任に高橋道和内閣官房教育再生実行会議担当室長(54)を充てる人事を発表した。文科省は辞職について「自己都合」と説明しているが、久保氏は定年まで1年半以上残しており、建設計画の白紙撤回に伴う事実上の更迭とみられる。
人事は8月4日付。旧文部省出身の山中伸一事務次官(61)が退任し、後任に旧科学技術庁出身の土屋定之文部科学審議官(62)が昇格する。
久保氏の辞職について、菅義偉官房長官は28日の記者会見で「任命権者が総合的に判断し、官邸として了解した」と述べた。
久保氏は2012年1月にスポーツ・青少年局長に就任。20年東京五輪・パラリンピック招致に関わった。新競技場建設をめぐっては、事業主体である日本スポーツ振興センター(JSC)を所管する文科省の担当局長として、総工費に関する東京都などとの調整を担っていた。
下村氏は記者会見で久保氏の辞職について「後進に道を譲るという意味での勇退だ」と強調。競技場整備をめぐる自らの責任に関しては「批判を謙虚に受け止めたい。東京五輪に間に合う形で建設し、国民負担がかからないよう対応する」と述べた。
競技場整備をめぐって、下村氏は経緯を検証する第三者機関の設置と、9月中旬に中間報告を取りまとめる方針を既に表明。東京都の舛添要一知事は、責任の所在の明確化を求めている。
文科省人事ではこのほか、研究振興局長に独立行政法人国立美術館の小松弥生理事(56)が就任する。小松氏は小松親次郎初等中等教育局長(58)の妻で、夫妻での局長就任となる。