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◆和歌山市長が謝罪。クラウドファンディング「全額使った」⇒「一部だけ」と訂正
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和歌山市役所(左)と尾花正啓・和歌山市長
和歌山市が2018年に実施したクラウドファンディングの使途をめぐって物議を醸していた問題で、同市の尾花正啓市長が9月28日、これまでの市当局の説明を訂正して謝罪した。 市が「約2790万円の寄付金を全額使った」という当初の説明は誤りで、実際には約1417万円しか使っていなかったという。尾花市長は「全国の多くの方に対する裏切り行為であると思います」と反省の弁を述べた。(ハフポスト日本版・安藤健二)
「殺処分ゼロ」を目指すクラウドファンディングだった。
和歌山市がクラウドファンディングで募ったのは、2019年オープンの「動物愛護管理センター」で「殺処分ゼロ」を目指して、犬や猫の不妊去勢手術するための設備の充実を図るための資金だった。 2018年5月から12月にかけて、ふるさと納税で資金を募る「ガバメントクラウドファンディング」で募集したところ、計1464人が応募。目標額の1800万円を大幅に超える2457万9745円が集まった。市に直接届けられた寄付金を含めると、2790万2545円となった。 募集要項については、特設ページで以下のように書かれていた。 「和歌山市では動物愛護センターを建設し、平成31年度中の業務開始を目指しています。この施設では犬猫の不妊去勢手術と簡易な治療も実施する予定ですが、そのためには手術台や診察台、麻酔装置など様々な設備や薬品が必要です。そこでガバメントクラウドファンディングを活用し、設備に要する資金を広く集め、設備等の充実を図りたいと考えています」
寄付金は「2790万円全額使った」⇒「1417万円しか使ってなかった」
この問題をめぐっては当初、市内の「動物愛護管理センター」の設備費として、クラウドファンディングで全国から集まった2790万円の寄付金の使い道をめぐって批判が集まっていた。 24日の市議会厚生委員会では、市当局は2018年度と2019年度の予算に充当する形で「2790万円全額、すでに使った」と説明。その内訳に「印刷製本費」「自動車保険料」「火災保険料」などが含まれていたことから、「クラウドファンディングの趣旨と違う」として芝本和己議員の追及を受けていた。24日時点では、ハフポスト日本版の取材に、市当局は「大きな意味で動物愛護に使った」とコメントしていた。 しかし市当局は、28日の厚生委員会では、そもそも全額は使っていなかったとして、これまでの説明を一転させた。2018年度以降、犬猫の手術用の備品購入費などとして約1417万円を活用または活用する見込みと訂正した。2020年度末で約1370万円が残る見込みだという。 佐伯正季・健康局長は、これまでに使ったのは、猫砂などの消耗品費、ワクチンなどの医療費、手術用の備品購入費、動物用麻酔機の委託料などだったと答弁した。 和歌山市健康保険課の担当者によると、約2790万円の寄付金は全額、クラウドファンディングの趣旨に沿って、犬や猫の不妊去勢手術するための設備の充実を図るために使われるという。
尾花正啓市長の28日の厚生委員会での発言
「さる9月24日の厚生委員会において、ガバメントクラウドファンディングの使途に対する当局の答弁に大きな誤りがありました。実際は寄付金については全額使用しているのではなく、貴重な財源として、今年度末において1370万円残る見込みとなっております。こうした事態を招いたことに対し、委員会の皆さんにお詫び申し上げますと共に、全国から温かいご厚志を頂きました皆さまに和歌山市への不信と不快な思いをさせましたことに深くお詫び申し上げます。今後寄付金を明確化するために基金化していきます」
ハフポスト日本版・安藤健二