天地万物の気が満ち
清く明らかになる
【清明】
その日に相応しい
清らかなお二人のお客様を
玄庵にお迎えしました
お茶事の朝は
いつもより早く4時半に起床します
着物に着替えて
朝食をすませ
6時に露地に出ると
今朝もホーホケキョ!と
朝の挨拶が聞こえてきます
懐石は昨晩までに
ほとんどできることはしてありますが
それでも当日でないとできないこともあるので
7時からは台所に立ちます
8時半ごろにはお手伝いの二人が到着
水屋の準備や玄関前の打ち水などを
していただき
お客様が到着する時間に合わせ
莨盆の用意などを始めると
緊張感が次第に高まって参ります
十時半頃
お車が玄関の前に止まる音が聞こえました
本日は
この度の世情を鑑みて
お車でお越し頂くことにいたしました
待合でお白湯をさしあげ
腰掛にお出ましいただき
迎え付け・・・
初夏を思わせるような
爽やかな風が小さな露地を吹き抜け
どこまでも青い空の下
どこからか
またウグイスの声。。。
初めはやや緊張気味だったお二人も
濃茶がすんだ頃には
お顔もほころんで
茶杓の銘から
お話が尽きることなく膨らんでいきました
薄茶を私も相伴し
お互い名残惜しい気持ちで
道具拝見のやりとりをし
ついに退出の時を迎えると
またもや
ウグイスの声が・・・
まるで私達を
どこかで見ているかのように
私達を
祝福しているかのように。。。