テレビがウチに来て3年。
家族が映画を見ていると、
私もそこにいて、ついでに見ていることが多いのだけれど、
わりと高い確率で寝てしまう(‐.‐)。
ハリウッドっぽい
「ドカンボカンキキ~~ッ」っていう映画は
ちょっと苦手。
派手だし、ドキドキしてスゴイと思うけど、
「次の展開、まだ~?」と、退屈な時も。
かといって、フランス映画みたいな、
煮え切らず、割り切れないようなのは、
登場人物に肩入れできる時はいいんだけど、
そうじゃなければストーリーが追えないこともしばしば…。
結果、どっちにしても
寝ちゃうんだよね~。
なんだけど、こないだ、
日本の古い古い映画を見た。
フィルムで縦線がパシパシ出て来るような、
終戦2年後の1947年のモノクロ映画。
噂に聞いていた小津安二郎監督の映画、
「どれもおもしろいよ」ってよく耳にしてた。
この時に見たのは「長屋紳士録」。
ストーリーは、単純。
でもね~、
ハリウッドよりフランスより、
私にはおもしろかったのよ。
当時の風俗がめっちゃおもしろい。
人間関係の濃さもおもしろい。
今との人情の違いもおもしろい。
「日本人」の原型が残っているようで、
そこが一番おもしろい。
子どもが迷子になってるのを、ある人が見つけ、
迷子の子どもを連れて帰った人が、
「ついてきちゃったんだから、しょーがない」とか言って、
長屋の隣人に「一晩泊めてやれよ」って言うの。
子犬みたいに。そんなん頼む???
あ、以下ネタバレします。
みんな「やだよ」と言い合って、最終的には、
一人もののおばちゃん(ご主人は戦死?)が
一晩だけの約束でその子を押し付けられちゃう。
子どもは全然しゃべらない。
かわいげもない。愛想も健気さもない。
にこりともしない。
数日間、ただ行くとこ行くとこ、
仏頂面で付いて来るだけ。
キレイ事は一切ナシ。
「こんな汚いガキ、あたしはゴメンだね」って、
その子が聞いてても平気で言っちゃうし、
その子の親を探しに行って見つからなかった時なんか、
海にその子を置き去りにして、
一人で帰ってしまおうとすらする。
だけど、数日後
「人ごみではぐれちゃって、ずっと探してたんです」
って親が現れた時、そのおばちゃん、泣いちゃうの。
数日とは言え、少しずつ情が移ってきたから、
別れるのが辛いのかと思ってたら
「あんな立派な親がいて良かった。
あの子は幸せもんだよ」って。
ノミをうつされたり、
親を探しに歩き回ったり、
布団におねしょされたり、
一緒にいる間、さんざん振り回されたのに、
最後は「子どもっていいもんだね」だって。
暮らしに余裕なんかないはずなのに、
なんなのだ、この豊かさは!!!
とビックリして。
食べ物がなくても心配しない。
仕方なく、エラソーに、子どもの世話をする。
まわりのみんなが放っておかない。
なんかね、
終戦2年後の映画であるっていうのが、
すごいリアリティで、迫ってくる。
親のいない、露頭に迷う子どもも、
こういう人たちの「ったく仕方のねぇヤツだなぁ」
っていうシブシブの関わりによって、
生き延びていったんだろうなぁ、と。
いい年した大人同士が、ご近所さん同士で
毒づいたり、泣いちゃったりも平気なの。
まったく後くされないどころか、
人と人が素でつきあっていた時代。
ひるがえって私。
子どもどころか、子猫一匹、引き受けられないわ…。
なんて、つながりの深い時代だったんだろう。
貧しい時代には違いないけど、
豊かな時代だったんだろうな、と想像させてくれる。
小津安二郎の作品、もっと見たくなりました。
オススメある方、教えてくださーーい!
本日のフォルメン 37/100
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昨日の続きで難しい系に行こうと思ったけど、
いったん基本に忠実に、基礎錬に戻る。
吸って吐いて、を線と合わせながら動くと、
自然に呼吸が整っていく。
※「何コレ?おもしろそー」という方は、
コチラをどうぞ。
私にとっては、
コチラをどうぞ。
私にとっては、
心を整えるヨガであり、瞑想の時間です。