松庵

シナリオライター
&絵コンテマンな
松浦の軌跡。

向き不向き

2007-05-20 17:32:54 | アニメ・コミックで思うこと
『頭文字D』の35巻を読んだ。
バトルはいい。それはいい。
この物語の構造は、主人公、拓海のドライバーとしての成長物語だから。ドラゴンボール方式で、次々と速いやつが現れて、バトルをして勝っていく。それでいい。

だ け ど、

海のエピソードはなんだよー。
ありゃ、いくら何でもだろ。作者が一休みしている感じがつきまとう。
むしろ、池谷たちの「出家でもするか」のシーンの方が面白い。

やっぱり、万能な人間なんていないんだなぁ、と思い知らされる。しげの秀一にはああいう話は書けないんだなぁ。ベタベタの少女漫画家のバトルシーンがみられたものではないのと同じですな。

よく、ラッキーボーイなどと呼ばれて、一発受賞でデビューする作家がいるが、それは作家の特性と時代、もしくは媒体の需要がたまたま一致していたに過ぎないのではないかと思う。
そういう意味では確かに、「ラッキー」だが、決して実力がなくて「運」だけでデビューするわけではないだろう。

しげの秀一は、車が走る話しか基本的には出来ない人なんだろうけど、それで十分だし、時代とマッチして一時代を築いたのだから、すばらしいことだと思う。
コメント
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