4月24日 金曜日
●このところ初夏のような陽気だ。
暖かさを通り越して、暑いくらいだ。
リリは外で遊ぶことの楽しさを覚えた。
ようやく、猫らしい声で鳴くようになった。
その甘え声で外に出たいとカミサンに訴えかけている。
「出してあげたら」
「買い物に出かけるまでに、戻ってこなかったら困るわ」
「そのときは、そのときだ」
●ブラッキィは老猫だから外に出たがらない。
と思うが、そうでもない。
すっかり骨ばった背中でやはりこまめに散歩に出る。
まさか――徘徊老猫じゃないだろうな。
●わたし自身、ひとりで散歩に出るのはなんとなく憚られる。
徘徊老人とまちがえられたら、嫌だ。
この故郷での同級生は半数が鬼籍に入っている。
寂しい限りだ。
周囲からみたら、
なにをやっているか分からない、
ケッタイな老人と映るのだろうな。
塾をやっているから、
近所の人は――。
「まだまだお元気ですね」
と声に出してはいってくれないが、理解してくれている。
●死ぬまで、小説は書きつづける。
傑作が書けそうな期待で、
今度こそは……と思いつつ、
いつしかこのとしになってしまった。
●孤独な作業だ。
でも、夢のもてる仕事だ。
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
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●このところ初夏のような陽気だ。
暖かさを通り越して、暑いくらいだ。
リリは外で遊ぶことの楽しさを覚えた。
ようやく、猫らしい声で鳴くようになった。
その甘え声で外に出たいとカミサンに訴えかけている。
「出してあげたら」
「買い物に出かけるまでに、戻ってこなかったら困るわ」
「そのときは、そのときだ」
●ブラッキィは老猫だから外に出たがらない。
と思うが、そうでもない。
すっかり骨ばった背中でやはりこまめに散歩に出る。
まさか――徘徊老猫じゃないだろうな。
●わたし自身、ひとりで散歩に出るのはなんとなく憚られる。
徘徊老人とまちがえられたら、嫌だ。
この故郷での同級生は半数が鬼籍に入っている。
寂しい限りだ。
周囲からみたら、
なにをやっているか分からない、
ケッタイな老人と映るのだろうな。
塾をやっているから、
近所の人は――。
「まだまだお元気ですね」
と声に出してはいってくれないが、理解してくれている。
●死ぬまで、小説は書きつづける。
傑作が書けそうな期待で、
今度こそは……と思いつつ、
いつしかこのとしになってしまった。
●孤独な作業だ。
でも、夢のもてる仕事だ。
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