On The Road

小説『On The Road』と、作者と、読者のページです。はじめての方は、「小説の先頭へGO!」からどうぞ。

6-21

2010-03-13 11:08:11 | OnTheRoad第6章
 「僕はすぐにへばるよ」
 「OK」
 「あずはあきれるかも」
 「一緒に走れればいいよ」

 カッコ悪いとこを見せたくないなんて言わなくていい気がした。「僕が走れなくなったらとまってもいい?」
 「OK」
 あずは後ろに手を組んで体を回した。「私が倒れたらおぶってくれる?」
 僕は脚の屈伸を終えて立ち上がりながら「OK」と言った。「あずがもう降りるって言っても病院まで連れていく」

 「助けてくださーいって?」
 セカチュウのなかでサクちゃんが叫ぶセリフだ。助けてって誰を?アキを?自分のことなんじゃないの?
 サクちゃんにヤキモチを焼いたわけじゃない。僕はサクちゃんになれないし、なりたくない。
 「あずは僕が助ける」考えるまえにコトバが出た。「サクちゃんにだけは負けない自信がある」
 あずが急に下を向いて目を押さえた。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。