On The Road

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第7話-34

2011-01-19 20:34:00 | OnTheRoadSSS
 「おばちゃん、俺、フランス料理より、焼肉がいいんだけど」
 青山が提案した。
 「若手には、おしゃれな店より肉かもネ」
 黄は笑いながら青山の後を追った。

 「せっかく、若い男の子たちと高級料理が食べられると思ったのに。仕方ない、プサンハンに連れていって」
 おばさんはがっかりしたような顔をしたが、すぐに「私はあそこのキムチチゲが大好きなんだよ」と笑った。「今の時間はランチタイムだけど、肉を追加する予算もあるし、たっぷり食べとくれ」

 「さすが、おばちゃん。今日は遠慮なくゴチになります」
 心なしか、青山の足取りは軽い。

 「パチンコではブルーを見殺しにしちゃったからね」
 おばさんは2人を見比べてから、「今度は青山君に乗せてもらおうかな」と言った。
 「来る時は黄さんが乗せてきたんでしょう?お安いご用です。俺が初めて後ろに乗せる女性の栄光は、おばちゃんのものです」
 「それは悪かったね。黄君は初めてじゃないよね?」
 「はい。ワタシはいろんな子を乗せたネ。ラーメンちゃん、タンメンちゃん、時々チャーハンちゃん」
 「さすが面食いの黄さん。1人違うけど」
 青山は言って、バイクのキーを取り出した。
 「おばちゃん、メットは?」
 黄がシートの下から、村崎のジャケットとヘルメットを出して、おばさんに渡した。


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