「僕も大人になるよ。ヤキモチを焼いちゃうから、カレのことはもう話さないで」
コーヒーを飲んだりミッキーに手を振ったりしながら、あずはコトバを探していた。「かくさないで言うことしか考えてなかった。元カレの話なんか聞きたくないよね」
「あずが言いたいことは全部聞くつもりだったけど、僕はまだそこまで大人じゃないんだ」。認めてしまうとすごく楽だ。「でも、大人になるから」
あずはまたしばらく黙っていた。今度はじっとしたまま、自分の指先を見ている。「私は甘えたかっただけなんだね」
甘えていいよと言えればよかったけど、ヤキモチを焼かない自信はなかった。「あずのお兄さんも僕のアネキも、大好きな人を取られた経験があるんだよね。でも、僕は知らなかった」僕はユリナちゃんのことを思い出しながら言った。
「そう言えば、私は女のクセにってよく言われたな」「僕はアネキの子分にされてたよ」2人で笑っていたら、黄色いシャーベットが運ばれてきた。
「甘酸っぱいお二人にレモンシャーベット。今度は泊まりにきてね」とオバサンが言った「夏は混むけど」。オバサンはあずが笑うまで待っていてくれたんだと、なぜか思った。
「連休とれるかな」とあずが言った。レモンシャーベットはもちろん冷たいけど、部屋と胸の中があたたかかった。
コーヒーを飲んだりミッキーに手を振ったりしながら、あずはコトバを探していた。「かくさないで言うことしか考えてなかった。元カレの話なんか聞きたくないよね」
「あずが言いたいことは全部聞くつもりだったけど、僕はまだそこまで大人じゃないんだ」。認めてしまうとすごく楽だ。「でも、大人になるから」
あずはまたしばらく黙っていた。今度はじっとしたまま、自分の指先を見ている。「私は甘えたかっただけなんだね」
甘えていいよと言えればよかったけど、ヤキモチを焼かない自信はなかった。「あずのお兄さんも僕のアネキも、大好きな人を取られた経験があるんだよね。でも、僕は知らなかった」僕はユリナちゃんのことを思い出しながら言った。
「そう言えば、私は女のクセにってよく言われたな」「僕はアネキの子分にされてたよ」2人で笑っていたら、黄色いシャーベットが運ばれてきた。
「甘酸っぱいお二人にレモンシャーベット。今度は泊まりにきてね」とオバサンが言った「夏は混むけど」。オバサンはあずが笑うまで待っていてくれたんだと、なぜか思った。
「連休とれるかな」とあずが言った。レモンシャーベットはもちろん冷たいけど、部屋と胸の中があたたかかった。