大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

85日

2020-08-17 | 日記
先週鵡川町に居たはずのTちゃんがすでに安平町に到着している。
「もう少しだね!」とLINEすると「明日長沼温泉で最後の宿泊!!」と返事。
コロナでマンションに閉じこもっている事に閉口したTちゃんのご主人(75)が
徒歩で北海道一周に挑戦したいと言い出し、夫の願いを叶えるべく、
5月半ば、ワゴン車に鍋釜積み込み北広島を出発し、北海道をぐるりと時計周りで85日かけて踏破した。
一日30キロと決め、まずは30キロ地点までTちゃんが車を移動させる。
歩いて進んでくる夫の所まで自分も歩き、合流して二人で車まで歩く。
洗濯物が溜まったらコインランドリー、途中で圧力釜の蓋を車で轢いて壊してしまいご飯は真空パック利用。
どこに行っても有るコンビニも助かったと言った。その土地の名物等にはほとんど関心の無い夫。基本は車中泊。
後半暑くなってきて車中は無理となり温泉旅館等利用。夫の経費試算額の1/4(70万)で賄った。内助の功。
「歩き始めは何でも新鮮だったけれど、、だんだん「日常」になったわ。淡々黙々ただひたすら歩く。」
「山はお尻で登るんだけれど、歩くのは膝下って感じだった。」ふうん。。二人は ほぼ週一で道内外の山に登ってきた。
「平地をいくら歩いても山はお尻の力が無いと登れないと思った」(そういうものかあ、、、)

7月半ば、湧別辺りで大喧嘩して「もう止めた!」と、最寄りの駅に夫を降ろしTちゃんは車で北広島のマンションへ。
翌日「この荷物ちょっと預かって!後で処分するから!」とオットの大切なCDを全部長沼に持ってきた。
大まかな事情は聴いたが、Tちゃんの腹の虫は治まらない。「疲れたんだよ、温泉で緩もう」3人で長沼温泉へ。
しかし、温泉で身体の疲れは癒やせても心が泣いている。このまま独りのマンションには帰りたくない。。。
「こんな時にはジンギスカン!」 長沼の武八でジンギスカン徳盛り?を二皿ボーボー焼いて、3人で平らげる。
「ああ、元気になってきた!二人に聞いて貰って気が済んだ!!」Tちゃんは3人分の勘定を気前よく払ってくれた。
JRで戻ったオットと仕切り直してまた歩き始めたと翌日連絡が来た。羊食われて犬も食わない喧嘩おさめる、、か。
本州から来客等来ない限り滅多にジンギスカンを食べる機会は無くて、それほど好きでは無い。
だがその時のジンギスカンは本当に美味しくて、翌週思わず夫と武八に行った。が、3人で食べた時が断然美味かった。
また二人が喧嘩して、、今年3度目のジンギスカン食えるか?。。が、期待は外れた。
85日ぶりに自宅マンションに戻り、「家の冷蔵庫空っぽだから買い物に行っていい?」とやって来たTちゃん。
「久しぶりに○○のラーメン食べてくる?」とオットを近所のラーメン屋に誘ったら「あんな遠くまで歩きたくない」と言った。ははは!!
いつも聴いているジャズのCDがないので新聞もただ眺めていて読まずしょんぼりしている。
「ありがとう、あなたがいたからやり遂げることが出来ました。ひとりでは出来ませんでした。本当にありがとう」
「家に帰ってきてからね、あらたまってそう言うのよ、、、そう言われたらね、、なんだかさ、、、」
怒りにまかせてビニール袋にぶち込んできたCDを、持ってきた段ボールにきちんと詰め直して車に積んだ。

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