東京こころ

心のこえ

SEALDs(シールズ)の70年宣言

2015-09-03 | Weblog
「アジア・太平洋戦争が終わりを告げてから、70年の歳月が流れました。
 私たちは、そのうちの20年程度しか生きていません・
 戦争の時代を生きていない私たちには、知らないこと、知りえないことが数多くあります。
 しかしだからといって、過去と向き合うことを諦めません。
 私たちは、過去を真摯に引き受け、平和な未来をつくります。


  満州事変に端を発する先の戦争において、日本は近隣諸国をはじめとする多くの国や地域を侵略し、
 その一部を植民地として支配しました。多くの人々に被害を及ぼし、尊厳を損い、命を奪いました。
 私たちは、この国が二度と同じ過ちを繰り返さないために、その過去と真剣に向き合い、自らの責任を果たしていきます。


  先の戦争においては、民間人を含む多くの日本人も犠牲になりました。
 地上戦の舞台となった沖縄では、旧日本軍の強制による集団自決が行われました。
 広島・長崎には、原子爆弾が投下されました。
 数多くの兵士が、望まない戦闘に加担させられ、命を落としました。
 他にも多くの人々が、空襲や飢え、病気などで命を失いました。
 私たちは、決してこの悲劇を忘れるわけにはいきません。


 過去の戦争や植民地支配が生み出した不幸は、今日まで続いています。
 被爆の後遺症に苦しむ人々や、尊厳を傷つけられたままの元従軍慰安婦の方々をはじめ、
 多くの人々の身体的・精神的な傷は、そう簡単に癒えるものではありません。
 さらに、被爆者の子孫や在日朝鮮・韓国人に対する差別や偏見などはいまなお残っています。
 また沖縄の過度な基地負担も、先の戦争が生み出した問題です。
 私たちは、戦争によって生じた数々の苦痛と無関係ではありません。


 日本は戦後70年間、直接的には戦闘行為に参加せず、曲がりなりにも平和国家としての歩みを続けてきました。
 その歩みは、多くの先人たちが、先の戦争をふまえてつくられた日本国憲法の精神、
 とりわけ平和主義の理念を持ちつづけ、幾多の努力を重ねてきた結果です。
 だからこそ私たちは、平和国家であることのありがたみを噛みしめ、次の世代に受け継いでいこうと思います。


 しかしながら、平和主義の理念は、イラク戦争への実質的な協力などによって危機に瀕してきました。
 そしていま、日本国憲法に違反する安全保障関連法案が、強行採決されようとしています。
 政府は国会での議論も十分にせず、最低限の説明責任も果たしていません。
 自衛隊が提供した弾薬が、誰かの命を奪うこと、そして、自衛隊員やこの国に生きる人々、
 海外に暮らす日本人の命が、危険にさらされることを許すわけにはいきません。


  私たちは、尊い命を軽んじる態度を、
 歴史から学ぼうとしない不誠実な姿勢を、目先の利益に捉われる偏狭な考えを、
 立憲主義や民主主義の軽視を、権力による情報統制を、
 「積極的平和主義」という偽りの平和を、決して認めません。
 私たちは、二度と同じ過ちを繰り返さないために、自由と民主主義を守っていきます。


  私たちは、戦後70年という節目にあたって、
 平和の尊さをあらためて強く胸に刻みます。
 私たちは、戦争の記憶と多くの犠牲のうえにあるこの国に生きるものとして、
 武力による問題解決に反対します。
 核の恐ろしさを目の当たりにした被爆国に生きるものとして、
 核兵器の廃絶を求めます。私たちは「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼し」、
 ナショナリズムにとらわれず、世界中の仲間たちと協力し、
 「全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを」目指します。


 私たちは、自分の頭で思考し、判断し、行動していきます。
 それを不断に続けていきます。
 偏見や差別を許さず、思想・信条・宗教・文化・人種・民族・国籍・
 性別や性的指向性・世代・障害の有無などの様々な違いを超えて、
 他者を尊重し、共に手をとりあって生きる道を切り開いていきます。


 平和な未来をつくるために、過去と真摯に向き合い、
 努力していくことをここに誓って、戦後70年にあたっての宣言とします。


自由と民主主義のための学生緊急行動(SEALDs)」

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