【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第87回
「天に応じて時に行う。ここをもって元(おお)いに亨(とお)るなり」(易経)
易経は宇宙の陰陽に関する、リズムや変化に関して説いた書物でとても深い書になります。
その中で、まさに易経を端的に表したような言葉が今回ご紹介するものであります。
「天に応じて時に行う」ということは、それを行うにあたって
まさに一番最適な時を射る行いをすることを表現しています。
農作業が一番わかりやすい例かと思いますが、春夏秋冬でその気候などにあわせて、
最適なタイミングを外さずに行うことで、収穫物の出来が変わってきます。
天の運行に応じて、その時をしっかり外さずに対応していくには、
宇宙のリズムに乗った生活や意識をしていくことがとても大事だということを、
この易経は説いています。その感覚を少しでも研ぎ澄ませるように、
日々精進していきたいものです。
参考文献
『易経の一日一言』竹村亞希子著 致知出版社