【人生をひらく東洋思想からの伝言】
第104回
「四時の序、功を成す者は去る」(十八史略)
(しじのじょ、こうをなすものはさる)
季節は常に移り変わるものです。
四時の序とは、春夏秋冬の順序の事を指しています。
春は春で、しっかり春にしかできない役割を精一杯果たして、次の夏に繋いでいきます。
夏は夏で同様に夏の役割に徹することで、次の秋に繋いで、冬へと移行していきます。
そして、また春へとなっていきます。
このように、四季が巡るように、
人の役割も、次の人へとバトンタッチしていけないといけません。
それが、宇宙の道理でもあるからです。仏教的には、諸行無常という言葉がありますが、
まさにすべては移り変わるということを端的に説いています。すべては、無常であると。
今回、ご紹介させて頂く言葉は、まさにその本質を表現している言葉だと思います。
この一瞬の輝きがもたらされるのは、今までの先人の叡智や恩恵によるものだと思いますし、
それを見守ってきた大宇宙そのものへの感謝以外に、なにものでもないように感じます。
先日、人間学を学ぶ月刊誌である「致知」創刊45周年式典が行われ、
御縁を頂き、参列させていただきました。
まさに、そこには人間学を究めようとする同志と偉大な先輩方が
一堂に集まっている稀有な時間と空間でした。
まだまだ、日本も捨てたものではないと改めて感じました。
これから創刊50周年、100周年と時を重ねるごとに、
自分自身もさらなる精進を心に誓い、そして、さらに社会へお役に立てるよう、
益々人間力と品格を磨いていきたいと切に思いました。
参考文献
『致知2023年10月号』 致知出版社