松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆自治の主体としての市民(東京都市大学)

2010-11-27 | 1.研究活動
 東京都市大学の川村先生のご縁で、大学の市民講座で話をした。東京都市大学はもとは武蔵工大といったが、最近では文科系の学部もあり、改名したばかりである。キャンパスは、港北NTの中川にある。港北NTは、思い出深いところで、市役所時代は、何度か、NTにかかわった。主に行政区再編成であるが、当時は、開発の始まりかけで、たくさんの空き地があったと思う。
 講演のテーマは、研究会でもあるので、「市民は、改革を担えるか」という、やや挑戦的なものとした。
 九州の阿久根市では、市長が議会を無視してさまざまなことを決めた。市長のいうことを聞かない職員を首にすることまで行った。名古屋市では、市長が憲法で認められた議会を否定するような動き(リコール)を先導している。問題は、こうした論外あるいは稚拙といった行いがまかり通るのは、それでも、それなりの市民的なバックボーン(応援)があるからで、それゆえ、改めて、市民の「市民」性を考えたいと思ったからである。
 市民力の劣化が起こる原因はいくつもあるが、ひとつには、市民を政府との関係でとらえ、政府を統制することが住民自治とする考え方が、市民の市民性を弱体化しててきたのではないだろうか。統制は要求に転化し、さらに依存に変化する。その結果、民主的統制を行う市民自身が脆弱になっているという皮肉が起こっている。要するに、欠点をあげつらうが対案を出せず、言葉ではいろいろ言うが、まちのために体を動かせない人ばかりが目立つようになってしまった。これではみんなしらけてしまい、遠くへ行ってしまう。
 こうした問題意識を踏まえて、ここでは、市民が自ら考え、地域の人たちと協力してまちをつくっていく実例をいくつか紹介した。
 たくさんの質問が出たが、いい質問が多かった。壇上と下ではなく、机を囲んで話をすれば、議論はもっと深まったろう。これは次の機会としよう。
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