松下啓一 自治・政策・まちづくり

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☆相模原市指定都市10年・できたこと・できなかったこと⑥区民会議のあり方

2020-10-13 | 南区区民会議終わる
 区民会議を担当するにあたって、基本に据えたのは協働型の区民会議である。

 区民会議のあり方(行政との関係性)は、3つのパターンに分けることが出いる。
 (1)下請け型
 (2)独立型
 (3)協働型
に、分けることができる。

 一般的には、独立型が優れた形態と思われている。地域自治から立論して、区民の自主性で運営することが優れていると思われているからである。しかし、私は、協働型の方が優れていると思っている。協働型ならば、それぞれの強みを活かし、1+1を3にできるからである。ちなみに、ロジャー・ハートの参加のはしごでは、独立型の上に協働型をおき、これを最上位としている。

 協働型ならば、行政と区民会議との信頼、さらにはお互いが知恵を出し合う関係を構築しなければいけない。そこで注力したのが、フランクな会議運営、闊達で現実的な議論である。これについては、すでに書いたように思う。

 もうひとつ基本に据えたのは、役に立つ区民会議である。「使える区民会議」である。ポイントは、誰にとって、使えるかであるが、地区まちづくり協議会、自治会にとって使える組織体をめざした。

 (1)最も注力したのは、若者参加である。地域の活動に若者が参加するようになれば、それが地域の活性化につながっていく。そこで、若者の地域参画の実践やトリセツ等をつくった。
 (2)楽しい、フランクな会議のやり方も実践した。地域の人たちの学ぶ場としての区民会議である。会議における実践とともに、南区版のファシリテータースキルをまとめた。

 東日本大震災以降、地域コミュニティの重要性が再認識され、地域コミュニティ・自治会への参加に関する条例が随分できてきた。

 市の責務として
第5条 市は、市民の自発的な町会・自治会への加入及び自主的な町会・自治会の設立を促進するために必要な支援を行うものとする。
2 市は、町会・自治会に対する市民の理解と関心を深め、町会・自治会の活動への参加を促進するため、広報活動及び啓発活動その他の必要な支援を行うものとする。
3 市は、町会・自治会の活動活性化に関する施策の実施に当たっては、町会・自治会と意見交換を行い、その意見を考慮するものとする。
4 市は、町会・自治会が自主的に組織されたものであることを踏まえ、町会・自治会に協力を依頼する場合には、その負担が過重にならないよう配慮するものとする。
(八王子市町会・自治会の活動活性化の推進に関する条例 平成31年3月27日条例第9号)

 こうした条文をつくれば、活発な地域活動が生まれてくるわけではない。「必要な支援」を内実あるものにするために、何をするかが問われている。

 南区区民会議が行った実践は、「必要な支援」のひとコマに過ぎないが、多くは、具体的各論がないことから見れば、自慢できることだと思う。南区は、大いに自信をもってよいと思う。
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