なぜ自治基本条例なのか、簡潔に話した。
簡単に言えば、昭和22年制定の地方自治法では、今の時代、間に合わないからである。昭和22年当時と今とでは政策の質が大きく変わったからである。
ぎゅっと煮詰めて言えば、今日の政策課題は、これまでならば私的領域に関わるものである。空き家問題、孤立死いずれも、これまでならば自助や共助で対応し、公共課題ではなかったものが、今では自治体の課題となった。
これら課題に対しては、行政は苦手である。例えば、孤立死では、一人でいるのも権利である。だから、うかつに手を出せない。他方、本当は一人でいたくなく、助けてほしいときには、手を出さないと非難される。
どうしたらいい。その切り分けは、簡単ではない。行政は公平性、手続的公正が求めれれるため手に余る。そこで市民に身近で、自由に動ける公共の担い手が必要になる。つまり、市民も公共の担い手であることを認め、市民間の連帯や協力を推し進めるのが、自治基本条例である。
おおすじ、そんな話をかみ砕いて、実例を示しながら話をした。
その市民が行動するにあたってのルールが自治基本条例である。そうしたルールを誰がつくる。役所がつくって市民にどうですかと示しても、まったく当事者性を持てない。だから、市民が、自分たちでつくっていくのが、自治基本条例である。
その際、大事なのは、参加した自分たちだけではつくらない。他の多くの市民の意見を聴きながらつくっていく。その仕組みが、まちづくり市民集会である。その市民集会が、今度で10回目を迎える。次の10年に向けて、そのスタートでもある、いい市民集会に集会にしようという話で、私の話を終えた。
来年の1月18日は、10周年記念のまちづくり市民集会では、記念講演を私が担当するが、大要、このような話をすることになるのだろう。明るく、未来につながる話をしたいと思う。