水の器 ”せせらぎ”
ここのところ蓮作で作っております水の器シリーズから、
小振りな角皿”せせらぎ”です。
『梅花藻』と呼ばれる植物をご存知でしょうか?
澄んだわき水にしか咲かないと言われる、それは優しく美しい花です。
私の古里の程近くに川の源流が有りまして、そこで見ることが出来ます。
光に照らし出された清らかな砂地からプクプクと水が生まれ、
そこからサワサワと川が始まる様子は夢のような世界です。
そのせせらぎの中に梅花藻が静かに揺れているのです。
いつか、それを器にしてみたいと思っておりました。
銘々皿として和菓子等にどうかな?と思ったのですが、
今夜は2色の奇麗な色のトマトのマリネをワインのお伴にいたしました。
梅花藻の棲むせせらぎは、私達二人にとりまして、
とても美しい思い出の風景です。
いつかまた見に行きたいと、春が来る度に話しています。
今夜は美しい思い出話の花が咲きそうです。