カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

エレガンス ~フェイクファーに胸を張る~

2011年10月23日 | Fashion

昨夜は、ご贔屓のオーケストラの定期演奏会に出掛けておりました。

このオーケストラが私を惹き付ける理由は、

ひとえにコンサートマスターの素晴らしさでございます。

フルオーケストラの中に有って尚、彼のバイオリンは、ストレートに私の耳に響いて参ります。

澄み渡る音色は、感情に流されることなく完璧にコントロールされていて、

深い経験に裏打ちされた知性を感じるのです。

昨夜は、昼間スタジオにて作陶中に考えておりました、

”エレガンス”というキーワードを引きずっての鑑賞となったのですが、

真のエレガンスとは、知性にコントロールされた美意識とその表現だと、

彼の音色が教えてくれた気がしております。

これは当然ファッションにも相通じるものがございます。


私はファッションに寛大な人であると自負しております。

ファッションは自己表現。私の好みに合うかどうかが基準ではなく、

表現しよう!という心意気が有るかどうかが重要でございます。

例えば原宿で、パステルカラーの車幅2倍も有ろうかと思われるワンピースを着て、

全身にぬいぐるみをちりばめたファッションで歩くお嬢様を見かけたとして、

私は心で拍手を贈ることは有っても、眉をひそめたりすることはございません。

若い頃は、あらゆることにおいてチャレンジと失敗を繰り返すのが仕事の様なものです。

恐らく多くの人に批判的な目で見られるであろうファッションに挑む彼女達を否定するのは、

未来のエレガンスの可能性を否定する様なものでございます。

抑制の効いたエレガンスの為には、一度感情を爆発させてみることも必要です。

他人から浮かない無難な着こなしと、抑制の利いたエレガンスは別物です。

自己を程よく表現出来る大人になる為のステップとして、

手痛い失敗もいとわない、爆発Boys & ぶっ飛びGirlsが、私は好きです。

真の自己表現が何かを知らないないまま人が大人になると、どういうことが起こるかは、

多くの皆様が既に痛い程ご承知と思いますので、申し上げないでおきます。

 

かく言う私も、失敗だらけのファッション人生でございまして、

タイムスリップ出来るなら、「ここにお座り!」と呼びつけて、

お小言の一つも言ってやりたい自分が居たりします。

ファッション上、あらゆることにチャレンジした私が、

一つだけ、ただの一度も身につけたことがなく、今後も身につける可能性ゼロの素材。

それは毛皮、及びそれらが使われたあらゆる小物です。  

ファッションは自己表現と申し上げましたが、私にとりましては、

好きなものを好きなように着ることも、特定の何かを決して身に付けないことも、

どちらも重要な自己表現でございます。

毛皮については、私なりの強い思いが有ったりもするのですが、

強い思い程、人様には伝わり難い場合もございますので、

ここでは、王様の柔らかく暖かいフワフワした毛皮を撫でながら考えまするに、

これを横取りしたくない、少なくとも私には不要なものだ・・・・・

とだけ申し上げることに致します。

そんな私のファーバッグ。 もちろんフェイクファーです。

アニマルプリントでも、恐ろしげになったりワイルドになったりすることのない、

やさしい雰囲気のあるバッグを探しておりまして、こちらを見つけました。

ベージュから焦げ茶へのグラデーションで、

ハンドルが薄いベージュと濃いベージュのエナメル。

おリボン過ぎないハンドルの結び目も気に入りました。

こういった素材のものは、寒空の下で抱えておりますと、何とも安心感が有ります。

カフェの椅子に置いて、何となく撫でてみたりネ。。。。。

何分にもフェイクですので、チープな印象を与えない為に、

ハンドルと同素材のエナメルのフラットをコーディネート。

チープな印象を与えないとは申しましても、フェイクであることに私は胸を張ります。

私の年齢なりのコーディネートで、この愛らしいバッグの魅力を、

最大限に発揮させてあげたいのです。

光ったものを合わせたら、その光を少し控えめにする為に天然素材を重ねます。

明るい生成りの、コットンウールの大判ストールです。

カシミア他、最近話題の希少価値の高い材質などを合わせてしまいますと、

フェイクファーはそれらの引き立て役に回らねばなりません。

今日はあくまでも、主役はフェイクファーのコーディネートを目指します。

素材・色・手触り・艶。

私好みのコーディネートが完成致しました。

深いVネックのマスタードイエローのハイゲージニットと、ベージュのスリムパンツなどで、

さりげなく、ぬくもりと女性らしさのある着こなしをしようと思います。

 

では






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