昔からよく言われる「愚民政策」というのがあるが、マレーシアはそんな感じに見える。
最近、裁判によって収監させる事になった元首相の時は本当に酷かった。政府は国民によくお金を配っていたし、選挙の時にも公然と物を配っていて、「もっと欲しければこちらに入れろ」とまで言っていた。それより前にから(たぶん今も)土地を配っていたりもする。宗教行事のある長期休暇シーズンには基礎的な食品の価格を凍結させるし、ガソリンの補助金も常時だ。家は日本で言う定期預金の代わりなのだが、定期収入が有れば簡単に銀行に金を貸させる。
日本はマレーシアより組織票政治だからそこまでしないが、適当に補助金を出すような事はよくやる。でもマレーシアと同じで根本的な問題解決は絶対しない。結局それが愚民政策の行き着くところなのだ。
昔むかし、よく言った事。もし売れっ子(当時)音楽家のKが幼馴染で、たまたま会った時に「おまえ、苦労してるんだなあ。そうかそうか、それじゃ俺、フェラーリ買い替えるから1台やるよ」って言われたら貰うかというのがある。けっこう多くの人は貰うと言うのだけれど、それは格差が意識されていて、下の方は援助されなければならない存在になってしまっている。
つまりは貰う方もバカにされているって事に気付かないのだ。これは愚民政策と同じ事。結局、与えられて有利になるように見えて、実はバカにされている。それは格差を埋める為に良心的にされるのではなくて、格差が前提になっていてそれを維持する為に行われている。
気付かないなら仕方ないとしか言えない。