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もんく [とある南端港街の住人になった人]

音楽

家でアンプとスピーカーで音楽を聴くようにしているのだが、キャサリンさんがダメだそうで、聴く事ができなくなった。まあ、仕方ない。

音楽を聴き始めたのは中学校からだった。数学の先生が自分はこんなのを聴いていると言っていたのでそれがどんなものか聴いてみたのが最初だった。小椋佳が好きと言っていて、ジャズは好みでないとも言ったような気がする。

高校から大学への受験勉強中はFMラジオをよく聴いた。夏休みなどにもあまり外に出ることもせずFMを聴いていている時間が長かった。昔から友達と何かするというのが少なかったからだ。大学に入ると通学時間が長かったので電車に乗って本を読みながらヘッドホンで聴いた。仕事をするようになっても同じだった。

仕事が変わってヘッドホンが使えないようになってほとんど聴くことが無くなった。そしてとても忙しくもなって新しいCDを手にれたりもせず、FMを聞こうにも定住していないのでそれもしなくなっていた。

それで、ある時気付いた。忙しくしていると常に脳が勝手に何かを考えてしまう。寝ていても起きていても。止まらない。考えるネタが尽きると同じことをまた考えたりしてハツカネズミ状態になる。これが非常に疲れる。疲れるだけじゃなくて瞼がピクピクするようになったり、身体のどこかが変になったりもする。具体的にどうなったかは覚えていないけれど、例えば歩いているときに足が石になりそうに感じたり。その時には理由が全くわからなくて困ったのだけれど、しばらくすると元に戻るので医者に行くとか誰かに言うとかもしなかった。

ずっとまずいなあと思ってはいたけれどそのままにしてしまった。そのうち頭おかしくなってどうにかなってしまうのじゃないかと思ったりもした。(軽く書いているけれど、自分としてはかなりシリアス)でも、ある時気付いた。

それは、それよりずっと前のことだけれど、何かやっていて眠くて仕方ないというのは誰も経験すると思うが、この寝ると起きているという状態、こんなことこそ自分でコントロールできると思った。それをこの脳が勝手に動いてしまうのにも応用できるのじゃないかと。いろいろやってみてわかったのは音楽を聴くこと。よくヨガとか瞑想とかの人もいるけれど、面倒な気がするしそのためだけに時間を使うのは状況的に許されない。で、音楽を聴いて頭から一旦全ての「言葉」を追い出してしまえるとわかった。これがとても効率が良い。

それに気付く前は心がトゲトゲしていて感情を抑えるのに苦労したし、何より無意味に苦しかった。自分では苦しい理由がはっきりあると思うのだけれど、実際にはそんなことなくて、ちょっとしたことにイライラしていただけ。

まあ、これから平均的な健康寿命までいくらかある時間、心の平静を保って生きられるようにどうにかしたいと思う。
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