夕暮れ前にやってきたのは,宇治田原の大滝.滝の前には,大瀧大明神という神額の付いた立派な鳥居が立っている.この鳥居から先は神域だ.
ここは雨乞いの不動尊としての信仰の場であって,ある伝説が残っている.日照りの続く年に,不動尊の使者が,うなぎに酒を飲ませて滝壺に放ったところ,うなぎは滝を伝って天に昇り,姿を龍に変え,雨を降らせたという.
階段を登っていくと,ご神木と思われる大きな木の下に,小さな祠のようなものがあった.それにしても,この急な斜面になぜ巨木があるのだろうか.人為的に行われたとしても,一体どの様にして・・・ミステリアスな場所である.
そして,階段を登り切ると,不動明王様は滝の真横にいた.岩場のちょっと奥まったところにいらっしゃるので,お素顔は影で隠れて見えないようになっている.より神妙な感じがするのであった.
滝より先はさらに急な斜面が続いており,岩場ばかりの崖となっている.素人ではとても登って行けそうにない斜度と険しさだ.信仰の場に選ばれた訳が,分かったような気がした.
この斜面の上の方を,カメラでズームして見ると,水が岩場の間をいくつもの筋を形成して,大滝へと向かって流れ落ちていた.不動明王様のおかげで,これから先もこの水の流れが止まることはないだろう.
宇治田原の大滝は,賑やかなお茶の町からは想像できないほどに,自然豊かで静なところだった.しっかりと参拝をしてから,来た道を歩いて戻り,陽が暮れる前に帰路へと向かうことにした.
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