アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

男女同権の漢字…「嬲」「嫐」

2020年04月07日 | Weblog
  パンショ(Pancho)という画家をご存じでしょうか?フランスの、「ル・モンド」という新聞に風刺画を描いている画家なんですがね。

 彼の作品に、上
のような絵があります。
 様々な人種、国籍の女性11人が、「女性の権利のために」と書かれた横断幕を持っている。それを見た女性が、「なぜただちに、人権を要求しないの?」と言っている。
 この絵の私の解釈は・・・「女性の権利、女性の地位というふうに、『女性の』を冠するから、いつまでも女性の権利が守られないのよっ!女も男も同権なんだから、『女性の』を付けずに、『人権を守れ!』で、いいでしょ!」ってことだと思います。私の(パンショの絵の)解釈であり、私の意見でもあるのですがね。
 女性店員、女性校長、女性弁護士、女医、女性代議士…女とか、女性が冠に付いているうちは、日本はまだまだ人権の後進国です。
 「妖、嫌、奴など部首に『女』が使われている。女性差別の意味があり、改めるべきだ」という意見がありました。あまり相手にされないので、そのうちに消えてしまいましたがね。私は興味津津でした。
 確かに、マイナスイメージを与える漢字に、女偏が多い。
 「妖怪」…なぜ女偏なのか?「子泣き爺(こなきじじい)」など、男の妖怪もいるのに。
 「嫌い」…男だって、好き嫌いはあるのに。
 「奴」…男を指すイメージが強いのに、女偏なんだよね。
 「妨害」…男だって妨害するだろう!
 「奸物(姦物とも書く)」…酷い言われようですがこれも女偏。奸物は、男のほうが多いと思いますがね。
 「嫉妬」…Wで女偏だもんね。男だって、嫉妬するのにね。
 マイナスイメージを与える漢字に、女偏が多い。これは、「男尊女卑」のなせる技。女編のイメージが悪い漢字をなくそ~う!人権を守ろ~う!
 でも、暫し待たれよ。漢字が大陸から伝わり、日本国内で使われ始めた時代から考えると、どうも、男尊女卑ではないような?
 漢字が伝わったのは、紀元後1世紀ごろから。紀元3世紀ごろ、邪馬台国の時代には広まっていたでしょう。と、いうことは、卑弥呼のころです。つまり、「母系制社会」のころ。女性中心の社会だったはず。ですから、大陸から来た漢字を日本流にカスタマイズするにあたっては、「女偏を重んじ、男編を軽んじた」。女偏が圧倒的に多いのはむしろ必然。マイナスイメージの漢字に女編が多いのも当然で、「女性の人権をないがしろにしているのではない。こう考えるのが、正しいのではないか。(たまに、良いことを言うでしょ!)
 ところで男編の漢字ってあるの?ないよね。「男」が入っている漢字はありますがね。甥(おい)、捕虜(ほりょ)…少なっ。
 余談になりますが、「嬲」「嫐」という漢字があります。ホントホント。
「嬲る」「嫐る」の読み方は、どちらも「なぶ(る)」。意味は、なぶるそのもので、
「困らせたりいじめたりして面白がる」この2つの漢字に関しては、「男女男」「女男女」で、男女平等ってのがおもしろいところ。
  漢字は、かくもおもしろいものですが、漢字を大切にしている国は、日本と台湾だけになってしまっています。韓国は、学校教育から漢字を外しました。ですから、「個人的に漢字塾(これは、今もあります。経済的に豊かな家庭の子女が通っているって感じ)で学んでいない40歳より若い人」は、まったく漢字が読めません。驚いた経験は、ホテルのフロントマンに、「宗廟」への行き方を尋ねたのですが、「宗廟」すら読めないのです。あきれましたよ!漢字に関して、もう韓国は相手に出来ません。シンガポールにも、ベトナムにも漢字がありましたが、今では「無」に等しい。中国はどうかって?
 本家本元である中国には、頑張ってもらわなければならないのに、簡体字に流れてしまっています。繁体字の「辻」が、簡体字では「一」ですよ!「十字路を通る」から、「辻」なのです。「一」のどこが十字路ですか?単なる意味のない記号です。「繁体字を守る」ことに情熱を注いでほしい。
 パンショから書き始めて、「人権を守ろう」で終わろうと思ったのに、「漢字を守ろう」になってしまいましたわ。
 「姉妹」には、女が入っているのに、「兄弟」には男が入っていません。これでいいのかぁ!文部大臣出てこーい!
 「婆」には、女が入っているが、「爺」には男が入っていない。これでいいわけないでしょ!文部大臣出てこーい!男女同権だろうがぁ!
 なぬ?今は忙しい?…文部大臣~ん!出てこなくていいよーッ!