Facebookに次のような投稿が出ていた。大勢の賛成者がいたが、論理的には眉唾である。
【その投稿は☞ 桂歌丸さんの「話を聴くのが下手な人は話をするのも下手」 すごい納得。 人の話から真意を拾いたいものです。☜ 以上】
なにも小難しいことを言うつもりはないものの、「話を聴くのが下手な人は話をするのも下手」という命題の真偽は怪しい。
その理由は・・「逆は必ずしも真ではない」が、「対偶は、命題が真ならば必ず真である」という論理学の定理に因る。
命題の逆は「話をするのが下手な(上手でない)人は話を聴くのも下手(上手でない)」となる。
対偶は「話を聴くのが上手な(下手でない)人は話をするのも上手(下手でない)」となる。歌丸は話を聴くのが上手(下手でない)かどうかは知らないが、話(噺)をするのは、それなりに笑わせる(ボクは笑ったことはない)が決して上手くない。むしろド下手!(上手・・巧・・いというのは、例えば、むかし家今松みたいな噺家である。笑わせないが・・・)
因って、この対偶「話を聴くのが上手な(下手でない)人は話をするのも上手(下手でない)」は、成り立たない。故に「話を聴くのが下手な人は話をするのも下手」という命題は真ではない。