金沢城(と兼六園)
写真㊤:金沢城公園の落葉の絨毯
兼六園へは行っても、金沢城に立ち寄る観光客は案外に少ないようだ。ツアーのほとんどは兼六園には寄っても、金沢城は無視して通り過ぎるらしい。
しかし兼六園と金沢城は、もともと一体のものだ。といよりも兼六園は、金沢城に付属して作られた大名庭園である。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば……
《金沢城は、現在の石川県金沢市丸の内にあった戦国時代・江戸時代の城郭。加賀藩主前田氏の居城。金沢平野のほぼ中央を流れる犀川と浅野川とに挟まれ、小立野台地の先端に位置している。また、兼六園は、金沢城に付属してつくられた大名庭園である。》
……とある。 ( 《 》内 )
筋論はともかく、金沢城公園を見ない手はない。素晴らしい。さすが、加賀百万石の格式 を感じさせる。
金沢城黒門口から入った
ただ、徳川幕府を意識して武威を誇ることは控え、平和時の文化の砦という趣である。
そういう意味では、加藤清正の築城した熊本城とは対照的である。熊本城は石垣ひとつをとっても反りが強く、敵が上りにくい形状をなしており、戦国の雰囲気が強く漂っている。
加賀藩は、親藩、譜代、外様のうち最高の石高・百万石を誇った。それ故にかえって幕府の思惑に怯(おび)えなければならなかったというのは、政治の世界の皮肉である。
時恰(ときあたかも)も、紅葉真っ盛り。美しい紅葉と復元なった壮麗な金沢城を眺めつつ、遠い往時を思いやった。
06.12.07