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『婦人の“放尿の音”で占った出世』 up-to-date

2005-07-27 10:30:36 | 眇め草紙


写真㊤㊦とも:画像元 ←クリック
第二巻(五) 紀友則(きのとものり)従五位下

貫之と従兄弟どうしの同族で、「古今集」の撰者となったが撰進を果たさず没した。

夕されば左保のかはらの川霧に 友まよはする千鳥なくなり


『婦人の“放尿の音”で占った出世』 up-to-date

 婦人の“放尿の音”で自分の出世を占ったという大名の傑作な噺がある。落語の「紀州」に良く似た話だ。

  その前に“下げ”に関する若干の予備知識が必要であり、その説明を我慢して聴いて貰いたい。なに、説明と言ったって、短いものです。

 江戸時代の大名は、おおむね従五位下(じゅごいのげ・・・位階)に任じられた。この従五位下の大名を「諸太夫(しょだいぶ)」と呼んだ。
  後は、家格と在職年数によって、四品(しほん・・・無官の従四位下)、侍従(従四位下)、少将、中将と出世して行く。

第二巻(十五) 藤原元真(ふじわらのもとざね)従五位下

甲斐守清邦の子。「元真集」には恋の歌も多く、哀艶な佳詠を多く残している。

年ごとの春のわかれをあはれとも 人におくる人ぞしるらん
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第二巻(十六) 藤原仲文(ふじわらのなかぶみ)従五位下

信濃守公葛の子。元輔や公任などとの交流の歌とともに、高名な美貌の才媛本院侍従との贈答歌ものこされている。

ありあけの月のひかりを待つほどに わがよのいたくふけにけるかな
第一巻(九) 源公忠(みなもとのきんただ)従四位下

光考天皇の孫にあたり、薫物の調合の名手として知られる。

行きやらで山路くらしつほととぎす いまひとこえの聞かまほしさに
第一巻(四) 在原業平(ありわらのなりひら)権中将従四位上

平城天皇の皇子阿保親王の子で、「伊勢物語」のモデルといわれ、たいへんな美男子と言われている。

世の中にたえて桜のなかりせば 春のこころはのどけからまし
 画像元 ←クリック


  さて、ある大名が、「自分の出世は婦人が小水をするときの音を聞くと分かる」という話を聞き、厠の脇に佇み、その音に聴き入った。
 すると・・・「ジジューショーショー

 『しめた、侍従・少将まで出世できる』
 欲が出てその場を去らなかったところ、その女性が大きく放屁した。
 「ショー・・・ダイブッ!

 欲を出したばっかりに、諸太夫止まりに終わった。


 甲子夜話 1 (1)この噺は、平戸藩の隠居・松浦静山(まつらせいざん)が書いた「甲子夜話(かっしやわ)」に出てくる。(「サラリーマン武士道/江戸のカネ・女・出世」山本博文:講談社現代新書)     





05.07.27

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