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第二巻(五) 紀友則(きのとものり)従五位下 |
『婦人の“放尿の音”で占った出世』 up-to-date
婦人の“放尿の音”で自分の出世を占ったという大名の傑作な噺がある。落語の「紀州」に良く似た話だ。
その前に“下げ”に関する若干の予備知識が必要であり、その説明を我慢して聴いて貰いたい。なに、説明と言ったって、短いものです。
江戸時代の大名は、おおむね従五位下(じゅごいのげ・・・位階)に任じられた。この従五位下の大名を「諸太夫(しょだいぶ)」と呼んだ。
後は、家格と在職年数によって、四品(しほん・・・無官の従四位下)、侍従(従四位下)、少将、中将と出世して行く。
第一巻(九) 源公忠(みなもとのきんただ)従四位下 |
第一巻(四) 在原業平(ありわらのなりひら)権中将従四位上 |
さて、ある大名が、「自分の出世は婦人が小水をするときの音を聞くと分かる」という話を聞き、厠の脇に佇み、その音に聴き入った。
すると・・・「ジジューショーショー」
『しめた、侍従・少将まで出世できる』
欲が出てその場を去らなかったところ、その女性が大きく放屁した。
「ショー・・・ダイブッ!」
欲を出したばっかりに、諸太夫止まりに終わった。
この噺は、平戸藩の隠居・松浦静山(まつらせいざん)が書いた「甲子夜話(かっしやわ)」に出てくる。(「サラリーマン武士道/江戸のカネ・女・出世」山本博文:講談社現代新書)
05.07.27
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