大島恵真(おおしま・えま)の日記

児童文学作家・大島恵真の著作、近況を紹介します。
絵本作家・大島理惠の「いろえんぴつの鳥絵日記」もこちらです。

はなまつり

2017年04月09日 | 個人的なエッセイ
みなさま こんにちは!

きのう、4月8日は「はなまつり」でしたね。
私はお寺の保育園に行っていましたので、子どもの頃からはなまつりは記憶にありました。
でも、うっすらと…という感じでした。何をしたかはおぼえていませんでした。

その認識が変わったのは、結婚したばかりのころ、
当時住んでいた国分寺の町を、4月8日に散策していたときのこと。
あるお寺の庭に、はなまつりの飾りがしつらえられているのに出合いました。
ピンクや紫の小さな花をたくさんあしらった、4本の柱のある、
小さな御堂のなかに、天を指差す小さなお釈迦様がいました。
そのとなりには甘茶の桶があって、
ひしゃくですくってお釈迦様にかけるようになっていました。
周囲にはどなたもいませんでした。
お寺の人も、訪れる人も。
木立の多いお寺でした。
うっそうとした木々のなかで、美しい御堂だけが輝いていました。
お釈迦様にかけてから一杯いただいてみたら、甘くておいしかったです。
飾られた花も、朝つんで飾ったようにきれいでした。

いま、家でも、小さなお仏壇に花をきれいに飾るようになりました。
あの日の美しい御堂の思い出があるからかもしれません。
宗教に由来する行事は、実際に自分が感動を体験すると、
もういちど体験したいし、再現したいと思うのかもしれません。

また、わたしの夫の実家がお寺なので、お墓参りや法事でおじゃまするたびに、
奥さんたちのおいしいお茶やお菓子、生け花、お庭の花などに感動し、
ていねいっていいのね、と思っていることも影響しているかもしれません。

この絵は、たぶん自分がはじめて
「花、きれい!描きたい!」と思って描いた水彩画です。
翻訳家の友人がひと目で気に入ってくれたのを覚えています。
実際の花は光があたっていますからもっときれいで、それを再現できないかと苦心したのですが、
そんなところも、見る人に受け止めてもらっているのかもしれません。