このブレンディッドウイングボディーをWikiで見たのだが、駄目だと思った。
このブレンディッドウイングボディーとは「ブレンデッド」(混合した)「ウイング」(羽根・翼)「ボディー」(胴体)と言う所から分かるだろうが、
飛行機の揚力を生み出す翼とボディーを混合したものと言うものである。この最たるものとして全翼機(XB-35やH0-335などが有名)を挙げる者が居るが、それは間違いらしい。
それではとWikiが挙げるのがF-16とあるのだが、イヤイヤ、そうじゃない。その最初はF-14であろうと言うのがF-14マニアの私だからだ。F-14の専用の本を買って持っていたぐらいである。
F-14は、ライバル機と言われたF-15よりも揚力を重視した機体として作られた。それは艦載機と言う事もあるが、F-15が戦闘機としての能力を突き詰めたのに対して、F-14は電子戦、攻撃、爆撃、邀撃、そして戦闘と様々なものを想定していたもので、どちらかと言うと戦闘機としてはF-15に劣るがそれ以外では圧勝するものだからだ。
特にSTOL性がF-15,14ともにあるが、F-14のSTOL性は機体の重さからすれば、相当なものである。離陸速度が130km/hとは、ジェット戦闘機か?と言うほどのモノである。エリア88ではサーブ35ドラケンの方がSTOL性が高いようにあったが、それは機体が軽いからだ。
F-14は2つのエンジンとコクピットを繋ぐように羽根がくっついていると言うのが正しくて、ボディーとウイングが混合されている点で見ればF-16よりも混合の度合いが高い。この伝統はF-18にも受け継がれている。ブレンドの具合の少なさからすれば、F-15,F-16,F-18、F-14となるだろう。
さて、そのブレンディッドウイングボディーの話は、1970年代のそれから暫く沈静化するが、WikiにはX-48Bの話にいきなりなっている。しかし、これは情報が足りなさ過ぎである。
このタイプのブレンディッドウイングボディーは、何とソビエト崩壊後のロシアで出てきたのだ。1995年ぐらいだったが、その頃の奴はX-48Bと違ってボディーの中にエンジンが入っていた。
効率的な飛行機の形態であり、小型機も今のボディーよりも効率的にコンパクトに出来るとあったが、それから暫く姿を消した。案の定アメリカ資本に飲み込まれていたようだった。
ただ羽根と言うものを考えると、私は疑問に思うのである。
揚力の関係を見ると、揚力は羽根を後ろに引っ張る力の一部であり、空気抵抗の一部である。飛行機は300km/hを越えると揚力は抵抗の成分が強くなる。これが航研機である。航続距離を延ばす為に翼の抵抗を減らす為にスーパークリティカルウイングを使ったもので、その走りだった。速度最高を一時期記録した日本のプロペラ機もスーパークリティカルウイングを使っている。
それだけではない。私はジェット機の横の断面の姿を見ると、ある事に気づいた。翼の形状をよく見ると、揚力を最大に出す羽根の迎え角に対して、胴体はは若干上側を向いている。つまり胴体が水平の時には、翼は下向きになっているのである。これは一番推力が出る時には、揚力を生み出す力は邪魔で、揚力を減らすようにしているのである。音速を超えるような場合、ボディーと翼の基本構成角はその後の高速性能を決める重要な要素である。
F8Fクルセイダーの離陸時の迎え角を見ていて気づかないのであるから、まったく私も馬鹿なものである。
それから行くとブレンディッドウイングボディーのX-48Bの有用性は、低速に限られるのだろうか?ただペイロードが大きいのも、この手の機体の最たるもので、F-14はF-15よりも大きく、フル装備の爆撃ではA-10に匹敵する。
思えばA-380の構造もブレンディッドウイングボディーの影響と無縁ではないだろう。事ほど左様に、色々な技術は注意してみるとあちこちにあるが、私はそんなものにナカナカ触れない。
ああ、馬鹿な馬鹿と馬鹿なマニア話をしたいものだ。