数千年以前から続いている天然遡上の鮎が、そのまま残っている韓国の鮎の姿は、とても綺麗です。
それに比べ昨今の日本の鮎は、人工鮎の養殖技術が開発されて以降、全国の河川にバラバラに放流され、遺伝子の違いも無視(当時はそのような認識が無い)された結果、顔つきの違い(鼻の長さ・鼻の幅の間隔等)、ウロコの数の違いによる肌の違い(人工産ほどウロコの数が少ない)、背びれから尻ビレにかけての長さの違い(養殖場の池でよく見られるエビス鮎も)等々。
冷水病が蔓延し放流河川の鮎が全滅を繰り返していた頃から、天然遡上河川が見直されました。自然に遡上する海産の鮎は冷水病にある程度耐えれる能力を備えていたのです。
子孫を残す知恵は、産卵時期にも見られます。海産の天然遡上の鮎は、11月から1月にかけて産卵をします。一気にすると天候によっては自分の子孫が消える場合があるからです。
韓国では、日本海側の河川は、8月15日から全面禁漁です。その他は、9月1日からです。日本は、各河川で異なります。大体11月に入ると禁漁となっていますが、12月まで竿が出せる河川も有ります。行政での規制は各県単位で決めており、各河川の漁協が県条例に沿って決定します。広島県の場合は、禁漁期間は、12月1日から5月19日迄です。今年から太田川の解禁が5月20日にできたのもこの条例に従ったことによります。
韓国の河川は、冬には凍結するくらいの寒さになります。しかし、鮎は5月頃には、結構良い型に成長し、8月には尺鮎も釣れます。成長が一月速いように思います。海流の影響なのかよく判りません。河口から遡上する為鮎の尻ビレは発達し大きく広がっています。その為、7月に入ったら鮎のパワーが素晴らしくあるようで、ハリも「ぶち抜き」がよく使われています。
魚道は川を堰き止めた堰に設けます。しかし、魚の道とは書かれていますが、総ての魚が上下できるものでは、ありません。上に上れても下れない魚道も有ります。マスは、上れても鮎は上れない魚道もあります。日本の多くの魚道は、鮎が上れるようにはなっていません。只の格好だけの魚道が殆どです。韓国の魚道は、写真で見る限りよく出来ています。
最近開発されている日本の魚道も素晴らしいものが有ります。しかし、既存の堰を改修するにはあまりにも多くの魚道が存在します。その魚道が形ばかりだという現実は、すぐには解消されないのです。
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