今年度3回目、秋のマルハナバチ調べ隊が9月7日に行われました。乙女高原は、この季節、一面のススキ草原になります。花はなさそうですが、遊歩道を歩くといろいろな花があります。夏にはたくさん咲いていた花は実になっていたり、もう終盤だったりで、寂しい感じですが、まだヤマハギ、タチフウロ、ノハラアザミ、アキノキリンソウ、タムラソウ、マツムシソウ、ゴマナなどが咲いています。ハバヤマボクチやセイタカトウヒレンは咲き始めたばかりです。こんな時期にはマルハナバチはいるのでしょうか。
朝10時に集まったのは17名(午後から、あと4名参加)。始めの会では、最初に、小学生として一人だけ参加してくれたしゅういち君と案内人の松澤さんが「マルハナバチの一生」の紙芝居をじょうずにしてくれました。次に井上がマルハナバチの特徴と種類を簡単に説明、三枝さんが調査のしかたの説明をしました。
午前中はラインセンサス調査です。決められたコースを1時間程度で歩いて、どんな花にどんなマルハナバチがきているかを調べるものです。3つのグループに分かれて、歩くことにしました。天気は薄曇り、気温は20℃、下界はこの日も真夏日とのことですが、高原は涼しくさわやかです。こんな気温、天気では、マルハナバチは出てくるのか少し心配しながら、草原に入りました。
でも、そんな心配は杞憂で、草原に入ると、さっそくヤマハギにミヤママルハナバチ(ミーちゃん)、タチフウロにも、アキノキリンソウにもという感じで、たくさんのマルハナバチが姿を見せてくれました。私たちのグループには初めての参加者が2人いらっしゃったので、じっくり見たり、説明したりしているうち、他のグループにだいぶ遅れをとってしまいました。でもちょっと立ち止まっていると、次々にマルハナバチがくるので、なかなか進めません。ノハラアザミやタムラソウにはミ―ちゃん以外にトラマルハナバチ(トラちゃん)も。また、数は少なかったけれどオオマルハナバチ(オオちゃん)もいました。初めてのお二人もかわいいと言いながら写真を撮っていました。
ツツジのコースに入ると、ハバヤマボクチが咲き始めていて、そこにはトラちゃんが4,5頭もひとつの花に潜り込んで蜜を吸っています。足には大きな花粉団子をつけています。蜜がたくさんあるのでしょう。長い時間、蜜を吸っていました。
調査用紙を2枚しか持っていかなかったので、途中で記録する場所がなくなってしまい、欄外に書いたりして、集計してみたら80頭くらいカウントできました。多かったのはミーちゃんでした。また夏と違って、花粉団子をつけていないハチもかなりいました。もう巣に幼虫はおらず、子育てをしていないということでしょう。また、ミーちゃんはとても小さい個体やオスかなと思われる美しいクリーム色の個体もいました。今年のマルハナバチの活動も終わりに近づいているのでしょうね。
12時近くにロッジに戻って(他のグループをだいぶ待たせてしまいました)、集計をして、12時過ぎにやっと昼食となりました。
午後は1時から、待ち伏せ調査です。新たに4人の方が調査に加わりました。やり方の説明を聞いてから、各自、草原に入って、気に入った花の前で15分間、じっと見て、どんなマルハナバチが来て、何をするかを調べます。これを2回行いました。
私はラインセンサス調査の時、アキノギンリョウソウの下にトラちゃんが来たのを見かけたので、アキノギンリョウソウが咲いているところに行きました。この花の受粉をマルハナバチがするのか、見てみたいと思ったのです。でもトラは2回、花の根元には来ましたが、花にとまることはありませんでした。残念・・・。次にノハラアザミのところで待ちました。15分間にミーちゃんが6回、蜜を吸いに訪れました。
ロッジ前に戻って、各自の調べたものを集計です。それぞれが調べたものを報告してもらい、合わせて1時間単位に換算しました。その結果、マルハナバチに人気の花、ベスト3はタムラソウ、ヤマハギ、ノハラアザミでした。やはり、ミーちゃんが一番多く、次がトラちゃんでした。オオちゃんは数頭でした。
参加者も多く、マルハナバチがたくさんいて嬉しかったです。さわやかな草原での楽しい一日でした。