乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

3月の自然観察交流会

2024年03月02日 | 乙女高原観察交流会
※井上さんがレポートを書いてくださいました。ありがとうございました。

 3月2日、前日の朝、私の住む大月では5cmほどの雪が積もって、雪景色になったので、乙女高原はどんなだろう、上まで行けるだろうか、気にしながらも行ってみることにしました。牧丘の道の駅に集まったのは3人。天気はよいけれど風が冷たく、乙女高原はかなり寒いことを覚悟しながら、出発しました。

 林道の雪はきれいに除雪してあり、問題なく柳平まで行けました。そこから先は除雪してなく、車のわだちがあるだけ。雪は10~20cmくらい積もっているので、ここから歩くことにしました。長靴にするか、スノーシューにするか悩んで、長靴をはいて、スノーシューは持参することにしました。乙女湖は水の入ってくる上部を除いて、全面結氷して、白くなっています。

しばらく行くと、鳥の声がしました。雪のない斜面に降りて餌をついばみ、木の枝に止まり、また地面に降りて、をくり返す小鳥たちの混群でした。コガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、アトリたちです。しばらく3人で双眼鏡をのぞいて、バードウオッチングを楽しみました。
 2月11日のスノーハイクの時は、ウサギ、キツネ、テン、リスなど、動物たちの足跡がたくさん見られたので、楽しみにしていましたが、今回はほとんどありません。どうしたのでしょう。シカの足跡とヤマドリの足跡はありました。雪面が硬くて、軽い動物たちの足跡はつかなかったのでしょうか。

 林道を歩いているとおもしろいものに出会います。
◇その1、雪で覆われたコンクリートの法面の所々が三角形の山形に雪がなくなっています。これは雪崩と同じ現象で、上部の雪が落ちた影響で下の方に雪崩がひろがっていって、斜面に三角の模様ができたようです。

◇その2、林道に積もった雪が畑の畝のようにでこぼこしています。車のわだちの跡かと思ったけれど、幾筋もあるし、どうも違うらしい。風の影響なのか、雪解けなのか。「雪えくぼ」ということばを教えてくれたのは鈴木さん。融雪時にできる雪面の無数の凸凹のことだそうですが、畝状になるのとは違うらしいということで、何なのでしょうか。

 そんなことを考えながら進むと、道端にちょっと大きめの鳥が。法面のコンクリート壁をつつきながら、移動していきます。3人で双眼鏡を見ながら、何だろう、お腹が白く見えるし、シロハラ?でもちょっと違うみたい、何だろうと言っているうちに飛んで行ってしまいました。法面の上の灌木に何か小鳥がいます。ちょっと赤く見える。ベニマシコでした。法面の上でかすかな声がするので、見ていると、灌木のしげみに青い色が見えました。ルリビタキです。そして林道の上に広がる青空に、白く悠然と舞うノスリも見られました。かっこよかったです。
 その都度、止まってバードウオッチングしながら進むので、焼山峠に着いたのは11時半。乙女高原到着は昼過ぎになってしまいます。急ごうとしますが、雪は深くなり、またカケスやカラ類の声がして、立ち止まってしまいます。そして四季の森を過ぎたあたりでトビが上空を、カラスも10羽くらい、鳴きながら飛んでいます。これはなにか事件かと思いきや、果たして事件現場に遭遇。林道上の雪が赤く血痕で染まっています。そして道路横の斜面に鹿の死骸が。林道から下に落とされたようです。生臭い匂いが斜面からあがってきているようでした。また少し行くと、小さな血痕と糞があります。テンか何かが鹿の肉を食べて糞をしたのかな。


 木道の湿地の所までくると、雪は25cmくらい。車のわだちは狭くなって長靴だと歩きにくいので、ここで私はスノーシューを装着しました。雪面を歩いてもあまり沈まずに歩けます。雪面が硬いので、ザクザク音をたてながら歩きました。しばらく行くとまた小鳥を発見。コガラ、ゴジュウカラなどです。そしてようやく乙女高原が見えてきました。草原は全面真っ白ですが、前回より雪は少ないようです。もう1時近く。お腹すいた~と言いつつ、ロッジ玄関前で弁当を広げました。

 朝方吹いていた冷たい風もやんで、陽ざしは暖かく、ロッジの屋根の雪はとけて、水が勢いよく落ちてきています。とはいえ、百葉箱の中をのぞくと温度計はマイナス1,5℃。氷柱が屋根から下がり、また水の落ちる地面にも氷柱ができていました。

 昼食後、雪であけにくくなった鹿柵入口の扉をあけて、草原の中に入りました。誰の足跡もない雪原です。雪は陽当たりのよいところで10cmくらい、日陰では30cm近く積もっていました。雪原の斜面はすじをいくつも引いたようになっていて、また3人でいろいろ推理しました。雪玉が上から落ちてきた?雪解けのきざし?よくわかりません。真青な空にダケカンバやシラカバがくっきり見えて美しいです。ツツジのコースをまわってみました。やはり、動物の足跡はほとんど見られませんでしたが、キツネの足跡がくっきり草原を横切っていました。谷地坊主はほとんど雪をかぶっています。その湿地から遊歩道を下りました。林の中も雪はしまっていました。

 林道に出てしばらく行くと例の事件現場です。何か変化があったか、斜面を覗いてみると、死骸の上の方にあった足がなくなっていました。誰かが持ち去ったのでしょう。そしてまたしばらく下るとカラマツの木の上の方に黄色い小鳥が。マヒワです。数羽が細い枝にぶら下がって、カラマツの実をついばんでいるようです。岡崎さんは初めてマヒワを見たと感激していました。その近くにはカラ類もいました。

 焼山峠に3時到着。ここからはもう日陰になっている所が多くて、少し冷たい風も吹いてきています。行きにシロハラみたいな鳥がいたところで同じ行動をしているツグミがいました。行きに見た鳥はどうやらツグミだったようです。行きの疑問の答え合わせが一つできました。疲れた~と言いつつ林道を下り、柳平に到着しました。
 雪面で期待していたアニマルトラッキングはあまりできませんでしたが、野鳥をたくさん見ることができました。これも春のきざしのひとつではないでしょうか。疲れたけれど、いろいろな鳥に出会えて楽しい観察交流会でした。

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2月の自然観察交流会

2024年02月03日 | 乙女高原観察交流会
※参加された岡﨑さんがレポートを書いてくださいました。

 2月3日の自然観察交流会は3名の参加でした。道の駅に集合後乙女高原へ車2台で向かいました。途中カケスに何度も出会いました。野鳥の姿を見かけては車を停め、双眼鏡で姿を追いました。カケス、アトリ、ゴジュウカラ等を観察できました。いつものことではありますが一度停まれば野鳥だけでは済みません。今日は冬芽の観察が始まりました。


ヤナギの仲間、リョウブ、トチノキを観察しました。

トチノキの冬芽はベタベタしていると言う話になると知らなかったから触って確認したいと盛り上がりました。最初に観察したのは高い所だったので見上げるだけでした。手の届くトチノキまで移動して触ってみるとベタっとしています。ちっさな羽虫や枯葉もくっついていてびっくりしました。まるでムシトリスミレの様です。見るだけではなく拡大して見たり触ったり匂いを嗅いだりしてじっくり観察すると新たな発見もあります。光り輝く膜でコーティングされたトチノキの冬芽はとても美しかったです。

 次に乙女湖を見下ろす道端に停車。ここでもシメ、カワラヒワ、ホオジロ等を観察。お日様を浴びると羽根の色が本当に美しく感動しました。乙女湖は全面結氷とまではいかないものの時折不思議な音を立てています。氷のきしむ音でしょうか?この様子を「湖の歌声」と表現することがあるそうで素敵ですね。
 今日はノスリやトビなどの猛禽類が真っ青な上空を気持ち良さそうに飛び交う姿が目につきます。幾つものヒコーキが雲の尾を引いて飛ぶ姿も青空に映えます。薄っすらと雪化粧した金峰山の五丈岩もくっきりと見えます。本当に気持ちの良い素晴らしい景色でした。

 続いて焼山峠で停車。ミズゴケやフロウソウなどのコケ類も残雪の中で元気でした。

ズミやツノハシバミの冬芽を観察。サルオガセのたなびく姿は青空に映えて素敵でした。青空のもとでは何もかもが本当に美しく見えます。

野鳥の声も聞こえたものの姿は確認できず早々に移動。
 途中複数の猛禽類とカラスの群れが飛び交っているので「四季の森」の広場に駐車して確認するとトビ、ノスリは分かりましたが尾の長い細い大型の猛禽はオオタカの様でもありますがはっきりしません。この数と騒ぎは何かありそうです。群れ飛んでいた展望台の方へ探索に向かいました。数えたらトビ9羽、ノスリ2羽、不明1羽、カラス10羽もいました。

途中から山の斜面を登りながら探しましたが見つからずに展望台に着いてしまいました。何だったのでしょうか?分からぬままではありますがこの時季にここまで来ることが無いのでミヤマシグレとウスギヨウラクの冬芽を初めて観察しました。ミヤマシグレは美味しいのでしょうか殆ど食べられていました。



 車に戻る途中、駐車した車がチラチラ見える辺りまで下りた時にやっと探し物を見つけました。駆け寄るとそれはシカの死骸でした。まだ新しい状態でした。ここで何があったのでしょうか・・・?

 そんなこんなでロッジ前に着いたのは午後1時近くになってしまいました。直ぐにお昼を食べて草原を横切り展望台そしてヨモギ頭まで登りました。ダケカンバの樹皮越しに青空を見上げると美しい光景が広がりました。

富士山もたなびく霞の向こうに優しい姿を見せてくれました。

 帰りに再び「四季の森」の広場に立ち寄りました。たった1時間半程の間にシカは変わり果てた姿になっていました。複雑な気持ちになりましたが確認しただけで下山しました。

 今日は野鳥や冬芽の観察。そして自然の美しさ、厳しさも実感した一日でした。いつ来ても乙女高原には尽きることのない発見と感動があります。
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2024年1月の自然観察交流会

2024年01月06日 | 乙女高原観察交流会
※参加した鈴木さんがレポートを書いてくださいました。

1月6日、新年最初の自然観察交流会は雲一つ無い穏やかな晴天に恵まれました。参加者は8名。いつものように道の駅に集合後、乗り合わせて乙女高原へと向かいます。
冬の楽しみの一つである氷華を見るため、最初にサワラ林に立ち寄りました。暖かい日が続いたせいか5mm程のカメバヒキオコシの氷華が数株のみ。今冬の見納めになりそうです。

乙女高原に到着すると積雪は一部に数cm残っている程度です。いつもは遊歩道に沿って観察するところですが、草刈後のこの季節は堂々と真ん中を登って行くことができます。



高原を彩っていた花たちは枯れて天然ドライフラワーと化しています。ヒメトラノオ・オケラ・タムラソウ・リンドウ・コオニユリ・チダケサシ・ハバヤマボクチ等々、拾い集めているといつの間にかショップで売っているような花束のできあがりです。参加者のひとりから「オヤマボクチの萼の棘は、ハバヤマボクチに比べて大きくて尖っているよ」と教えてもらいましたが、その場で見比べることはできません。


枯れ葉に混じってフユノハナワラビの緑色が華やかです。またよく見ると1cmほどの小さな黒い生き物がすばやく動き回っています。ハエトリグモの一種のようです。雪の上には2~3mmの小さな種と種を包む殻(果鱗というようです)がたくさん落ちていました。カバノキの仲間の種であることは想像がつくのですが、一体何の木かはわかりません(高原にはシラカバ・ダケカンバ・ヤエガワカンバの3種があります)



疑問を残したまま散策を続け、ブナじいさんまで足を延ばします。ブナじいさんの南斜面にオヤマボクチが咲いていたのを覚えていたので、先ほど確認できなかったハバヤマボクチとの比較をしたかったからです。比べてみると違いは一目瞭然、オヤマボクチの萼は大きく尖っていました。実際に見て触って比べることで記憶に残ります。



そんなことをしながらロッジへ戻るともうお昼過ぎ。ここでもうひとつの謎解きです。途中でカンバ3兄弟の実を拾ってきたので、高原内に落ちていた種が何であったのか種を取り出して確認作業。それぞれ形は特徴的で「シラカバは透明感・ダケカンバはクリオネ・ヤエガワカンバは飛行機みたい」と声があがりました。雪の上に散らばっていたのはダケカンバだったとわかりました。


昼食後は湿地へと向かいました。雪の上にはテンやイタチの足跡が残っています。急に方向を変えたりしているのを見ると「獲物を追っていたのかな?」などと想像してしまいます。ササの葉はほとんどシカに食べられています。姿は見えなくても、フィールドサインが厳しい冬の中で必死に生きている動物たちの存在を教えてくれます。

一見何もないような季節に思えますが、多くの新しい発見ができた楽しい1日となりました。



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12月の観察交流会は「コケ」

2023年12月02日 | 乙女高原観察交流会
 いい天気でした。9時に牧丘の道の駅に集合したのは8人。簡単に自己紹介と予定の確認をし、さっそく車に乗って出発です。冬の始めなので、まずは氷華を見ようと、サワラ林と焼山峠で寄り道。さすがに今年は暖かい日が続いたせいか、あまり氷華が見られないなあと思っていたら、「ここにありますよ」と井上さん。落ち葉をかきわけると、その下に透明感のある白い氷華が次々に見つかりました。見つからなかった原因は「暖かい日が続いたから」ですが、そこにワンクッション入っていて、「暖かい日が続いた」→「先に落ち葉が積もってしまい、後から氷華ができたので、氷華が落ち葉に隠れてしまった」という事情があったようです。いつもの年だったら、落ち葉が積もる前に氷華ができるので、目立っていたのでしょうね。




 乙女高原に到着です。今日の案内人は塚田さんと大堀さん。さっそくお二人に案内していただきました。草原とは反対の沢の方に降りた・・・と思ったら、すぐに足を止めて、ミズナラの幹を観察しています。もう観察ポイントです。確かに幹の表面にコケが付いているのは分かりますが・・・よく見ると、アイスキャンディーのスティックが差してあります。スティックには「イトハイゴケ」「アラハヒツジゴケ」など、コケの名まえが書いてあります。聞くと、お二人で下見に来て、たくさんの、こんな「苔名板」をついておいてくださったといいます。それにしても、一本の木に3種類も4種類もコケが生えていて、それらについてお二人のコケ愛たっぷりの説明を聞いていたら、確かにここだけで半日過ごせそうだと思いました。ルーペでじっくり観察して、それをスケッチしていたら、日が暮れてしまいそうです。

 茎から葉が出ているのがはっきりわかるナミガタタチゴケのスケッチでは、茎から葉が出ている様子と、茎の上から糸のようなものが出て、その最後(てっぺん)に、細長い風船みたいに付いている蒴(さく)のスケッチをしました。蒴が言ってみれば、コケの「実」みたいなもので、中に胞子が入っているのだそうです。蒴が成熟するまでは帽をかぶっています。まさに「帽子」という感じで、この帽に特徴のあるコケもあるそうです。じっくり見て、スケッチしました。
 ナミガタタチゴケの帽は帽子というよりヘルメットみたいに見えます。先がとがっているところは、鳥のくちばしのように見えなくもないです。また、帽が蒴の頭の上に乗っかっているだけでなく、一部、蒴の横に垂れています。まるで蒴が短めのマントをまとっているようです。「ヘルメット・・・鳥のくちばし・・・マント・・・となると、これはガッチャマンではないか!!」これがぼくの結論です。ナミガタタチゴケのスケッチの隣に、ぼくが付けたあだな「ガッチャマン」と書いておきました。

 おそらく午前中で100mも移動しなかったと思います。それくらい「密度の濃い」観察会でした。いい天気ではありますが、とても寒い日でした。新品のエンピツくらい長い霜柱ができていました。ロッジに戻ってお昼を食べることにしました。沢は日陰が多く、そこに長時間座り込み、ルーペでながめたり、スケッチをしたりしていたので、体がすっかり冷えてしまいました。お日様のポカポカがとてもありがたかったです。 午後からもこの調子でコケ観察を続けました。スケッチする手を休めて、ふと時計を見ると、もう3時でした。あわててロッジにのぼり、解散しました。

 フィールドノートにぼくがスケッチしたコケは22種でした。家に帰ってから、手元のコケ図鑑で確認すると、このうち載っていたのは8種類だけ。約1/3です。つまり、今日観察したコケの2/3が、塚田さんや大堀さんがいなかったら、まったくわからなかったということです。いえ、図鑑を持って行ったとしても、図鑑に載っている種だとしても、とても同定できなかったと思います。お二人がこれまでのコケ観察によって蓄積されてきた知識に、改めて敬意を払います。














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2023年6月の自然観察交流会

2023年06月03日 | 乙女高原観察交流会

※6月の交流会は「黄色いスミレ・ハイキング」の予定でしたが、前日の大雨で林道のゲートが閉鎖されていたため、予定変更して行いました。

※鈴木さんがレポートを書いてくださいました。

6月3日は恒例の黄色いスミレ観察会。ところが前日から台風が日本の南岸を通過し大荒れの天気でした。集合時刻には雨もやみましたが、参加者は3名。天気は回復に向かう予報だったものの、相当量の雨が降ったことや各地で通行止めの情報もあり、黄色いスミレの観察は断念。いつも通りの乙女高原観察に予定変更です。

最初に通称カエル池に寄りました。3年前のボーリング調査から枯渇状態が続いています。この日は雨のため満水でしたが、ヤマアカガエルの貴重な産卵場所で、今後が心配です。


次にサワラ林で途中下車です。昨年、杉咲花主演のNHKドラマ「プリズム」のロケ地になったそうです。

沢に沿って斜面を登ってみると、樹齢100年を超えるサワラの大木と苔むした巨大岩のコラボが幻想的な空間を創り出しています。よくこんな場所を見つけたものだと感心します。
トチの大木の水場まで来ると青空が顔をのぞかせ、ヒガラ・ホオジロ・ウグイス・ホトトギス・アオバトなど鳥たちのさえずりが賑やかになり始めました。トチの花が真っ白に樹冠を覆いとてもきれいです。

辺りでは山菜として人気のミズ(ウワバミソウ)の群生や、種を飛ばしたあとのネコノメソウが観察できました。ネコノメソウの仲間は雨滴散布といって雨が降った時に種を飛ばすそうです。雨を利用するなんて驚きですね。
寄り道をしながら柳平にたどり着くと、乙女高原に向かう林道はなんと通行止め。


第2の変更をせまられ、ダムから見晴台まで続く遊歩道を登って乙女湖を一周することにしました。このときにはすっかり天気も回復し、五丈岩がくっきりと見えてきました。シロバナヘビイチゴの群生を横目に約400段の階段を上りきると、エゾハルゼミがうるさいほどの大合唱です。


その後はヤマフジやミヤマザクラの花、マタタビやサルナシの蕾、少し赤みを帯びてきたカエデ類のプロペラのような実などを観察しながら焼山峠まで下ります。スミレの中では遅咲きのエゾノタチツボスミレも咲いていました。


途中で最も美しい蛾とも言われるオオミズアオが枝先にじっとしているのを見つけました。よく見ると昨日の大雨のせいか羽がボロボロに傷ついています。嫌われることが多い蛾の仲間ですが、この日はキンモンガやコトラガなど模様の美しい蛾に出逢いました。


柳平の手前まで歩いてくると湖畔遊歩道の入り口があります。普段は車で素通りですが、「歩いてみようか?」と、またも予定変更です。


やや湿った遊歩道にはクリンソウが点在して咲いていました。また、水辺を好むサワグルミが小さな実をつけて林を作っています。そして思いもよらずフタバアオイの群落を発見することもできました。

すでに花期は過ぎていましたが、徳川家の家紋のモチーフにもなった葉が一面に生い茂っています。是非花の季節に訪れたいチェックポイントです。


遊歩道途中のベンチで乙女湖を見下ろしながら昼食を食べて帰路へと向かいます。黄色いスミレも乙女高原もたどり着けませんでしたが、普段通らないルートは新鮮で有意義な一日となりました。

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