乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

3月5日の乙女高原観察記

2022年03月05日 | モニタリング調査

 もともとこの日は今年度最後の乙女高原自然観察交流会でしたが、コロナ感染拡大を受けて中止としました。
 ですが、1月1日に交換した気温記録用データロガーの活動限界が近づいていて、今週か来週には交換しないと、気温データが欠けてしまいます。とはいえ、ぼくは昨夜、コロナ・ワクチンの3回目接種を受けたばかりなので、今日の体調がどうなるかわかりません。朝、起きたとき、注射した肩のあたりが痛くて、腕が持ち上げられないということはありましたが、発熱はなく、具合も悪くなかったので、乙女高原を目指すことにしました。

 いい天気で、暖かでした。先週も途中まで行ってみましたが、そのときよりもずっと雪解けが進んでいました。途中の雑木林の中には、ほとんど積雪がない林もありました。柳平より先も道路は雪かきがしてありました。たくさんの木材を積んだトラックが下るのとすれ違いました。木材の伐り出しが行われているに違いありません。

スノーシューをポール(ストック)に差して、肩に担いで行きました。焼山峠より先まで雪がかいてありました。大窪山登山道入り口付近のカラマツが伐られ、運ばれていました。雪かきしてあるのはここまででした。ここから先はスノーシューを履いて歩いたのですが、暖かくて、中のダウンジャケットもパーカーも脱いでしまいました。

上は2枚だけ。その暖かさのせいでしょうか、道路脇の雪が解けたところでは、地域外来種であるヒメオドリコソウのかわいい芽が出てきていました。

 林道から湿地に向かう遊歩道に入りました。ノウサギの糞が一か所に10個もありました。

 ここ数年、ノウサギの痕跡が少なくなっていて心配していました。ところが、ここ1・2年、足跡といい糞といい食痕といい、ノウサギの痕跡がたくさん見つかるようになっています。なんかうれしくなりました。そういえば乙女の草原内でもウサギの足跡を確認しました。雪の上に笹が出ていくところでは、笹に食べられた跡が見られました。なんだか笹の枯れ木の原です。シカのしわざだと思います。


 もう「春の雪」だったので、雪はとても柔らかく、スノーシューがズボズボ雪にはまってしまい、歩きにくかったです。深いところで50センチの積雪でした。

 湿地では谷地坊主が雪の下でした。水の流れの近くではその姿を見ることができました。雪に髪の毛を押さえられ、髪がボサボサのパンクロック状態からゲゲゲの鬼太郎のように整えられていました。床屋さんでアツアツの蒸しタオルを頭に巻かれた後みたいな感じでしょうか。

 草原はほぼほぼ雪景色でした。ロッジ庭のベンチは、座面と雪の高さが同じくらいです。

 ロッジ前に置かれた百葉箱のデータロガーを交換しました。シカ柵の扉が開くか心配でしたが、ロッジ前の扉は大丈夫でした。これならヨモギ頭前の扉も大丈夫だろうと考え、「森のコース」を登りました。


 このコースにはウラジロモミの若木がたくさんあるのですが、面白かったですよ。ウラジロモミの枝って幹から少し斜め上に向かって伸びるのですが、下の枝は枝先に雪が付いてしまい、その雪が地面の雪とくっついてしまうのと、その重みとで斜め下向きになっています。

夏、地元の自然観察指導員の方と長野北部の森を歩いていて、針葉樹の枝がある高さから上は斜め上なのに、その高さから下は斜め下に向かっていて、不思議に思いました。理由は雪。下向きの枝は乙女高原のウラジロモミと同じ理由で下向きに曲がってしまい、しかも、雪が深いのでその力が強く、長い時間続くので、こんな形になるそうです。だから、どこから枝が斜め下になっているかを見ると、その土地の雪の深さが想像できるそうです。自然観察って面白いですね。
 ヨモギ頭のシカ柵扉が、雪が邪魔して開きません。少し焦りましたが、邪魔している雪を手で少しずつかいて、なんとか扉を開けることができました。これも春先で、雪が柔らかかったおかげです。富士山はかすんで、まったく見えません。黄砂のおかげでしょうか。

 シカ柵内の雪原を一回りしました。雪はほんとうに深くて、しかも柔らかいので、歩きにくいです。一歩踏み出して、後ろの足をあげようとしても、なかなか上がりません。

 坂道では、足を動かすたびに雪玉がころころ転がり落ち、それが自然と大きくなっていき、なんか楽しかったです。

 キツネの足跡は雪の表面のみですが、シカの足跡はズボッと雪の深いところまではいっています。さぞかし歩きにくかっただろうと思います。
 草原で春一番に花を咲かせるツノハシバミの冬芽が膨らんで、もうすぐ割れそうでした。

 ロッジの玄関に戻り、ベンチに座って、スノーシューを脱ぎました。少し、足が楽になりました。おにぎりを食べ、食休みをしたら、出発しました。
 途中、エナガが2羽でいるのを見ました。混群ではなく2羽でいるということは・・・きっともう巣作りを始めているんだろうなと思いました。双眼鏡でしっかり姿が見られれば、エナガの長い柄(尾)がボサボサになっているのを確認できたかもしれません。エナガは他の鳥たちの羽毛を使って寝袋のような「中に入る」タイプの巣をつくります。長い尾が巣の中では邪魔になるらしく、巣作り・子育ての時期になると、尾がボサボサになります。
 帰路に向かいました。カラマツの伐採現場では、行きにはなかった材木の山ができていました。
 焼山から15分ほど歩いて、毎春マンサクを楽しむポイントに行ってみました。去年は2月28日 にはもう咲き始めていたので、今年はどうかなと思いましたが、まだまだ蕾でした。


 途中、カラマツのてっぺん近くに鳥の巣を発見しました。猛禽のようにもカラスのようにも見えました。

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