明末の中国の民窯の作品は実に多彩で、呉須赤絵の作品群には「赤絵」、「青絵」、「染付」、「餅花手」、「五彩」、「天啓赤絵」、「南京赤絵」、「古染付」らが存在し、その特徴を理解していないと、混同することになります。ただ各々その移行期や誕生期があるので、一概にそれらに分類できないもののあるように思われます。本日はそのような作品の可能性の合う作品の紹介です。
まだ陶磁器の蒐集をして間もない頃に購入した作品で、当時は「天啓赤絵」という売り込みで購入したように記憶しています。これは明らかな誤りでしょう。「天啓赤絵」は製作期間が短く貴重で高価なためそのような売り込み方をしたと思われます。
五彩手(伝南京赤絵) 鶴雲文平茶碗
高台内「福」銘 古箱入
口径185*高台径70*高さ54
いったん高温で焼きあげた白磁や染付に上絵具で絵付けし、再び錦窯(きんがま)とよばれる小型の窯に入れて 焼きつける技法を、中国では五彩といいます。
本ブログでいくつかの作品を取り上げているように、中国の景徳鎮窯などの民窯では、明末清初の時期に天啓赤絵、色絵祥瑞、南京赤絵といった多種多彩な五彩磁器が焼かれ、さかんに輸出されました。民窯は官窯とともに当初より存在し、官窯に対しての技術的遅れを自由な発想で補っていました。
初期の段階に民窯五彩についてはまだ分かっていない部分が多く、民窯がその活動の範囲を広げた嘉靖期の研究が現在までに進んでいます。その多くが味わいある趣で茶道の世界と合致していたために、日本では大変持てはやされ、多くの遺品が伝わっています。
*五彩手:中国,明・清代に盛んに焼かれた磁器で、白地に、藍・緑・黄・紫・赤などの絵の具をフルに活用して絵付けをする技法です。器の中央に、作品のモチーフを絵画的・写実的に描くことが特徴です。日本では、色絵・赤絵などともよばれます。
本作品は高台が砂付高台とするにはきれいで、高台内の鉋の跡がなく、口縁には虫喰いが少ないなどの特徴があります。これは平茶碗として日本から特注された作品によるもので丁寧に作られいるためと推測されます。
本作品を五彩手に分類するのはやぶさかではなく、さらに南京赤絵として分類すべきかどうかは迷うところです。また本作品は皿などの多い五彩手の作品群なのですが、本作品は皿と言うより鉢、平茶碗に使える器形であり、さらに吉祥文のあるとても使い勝手のよい珍しい作品です。
まだ陶磁器の蒐集をして間もない頃に購入した作品で、当時は「天啓赤絵」という売り込みで購入したように記憶しています。これは明らかな誤りでしょう。「天啓赤絵」は製作期間が短く貴重で高価なためそのような売り込み方をしたと思われます。
五彩手(伝南京赤絵) 鶴雲文平茶碗
高台内「福」銘 古箱入
口径185*高台径70*高さ54
いったん高温で焼きあげた白磁や染付に上絵具で絵付けし、再び錦窯(きんがま)とよばれる小型の窯に入れて 焼きつける技法を、中国では五彩といいます。
本ブログでいくつかの作品を取り上げているように、中国の景徳鎮窯などの民窯では、明末清初の時期に天啓赤絵、色絵祥瑞、南京赤絵といった多種多彩な五彩磁器が焼かれ、さかんに輸出されました。民窯は官窯とともに当初より存在し、官窯に対しての技術的遅れを自由な発想で補っていました。
初期の段階に民窯五彩についてはまだ分かっていない部分が多く、民窯がその活動の範囲を広げた嘉靖期の研究が現在までに進んでいます。その多くが味わいある趣で茶道の世界と合致していたために、日本では大変持てはやされ、多くの遺品が伝わっています。
*五彩手:中国,明・清代に盛んに焼かれた磁器で、白地に、藍・緑・黄・紫・赤などの絵の具をフルに活用して絵付けをする技法です。器の中央に、作品のモチーフを絵画的・写実的に描くことが特徴です。日本では、色絵・赤絵などともよばれます。
本作品は高台が砂付高台とするにはきれいで、高台内の鉋の跡がなく、口縁には虫喰いが少ないなどの特徴があります。これは平茶碗として日本から特注された作品によるもので丁寧に作られいるためと推測されます。
本作品を五彩手に分類するのはやぶさかではなく、さらに南京赤絵として分類すべきかどうかは迷うところです。また本作品は皿などの多い五彩手の作品群なのですが、本作品は皿と言うより鉢、平茶碗に使える器形であり、さらに吉祥文のあるとても使い勝手のよい珍しい作品です。