ゾウ、キリンを始めとしたアフリカの動物達。
そして、150頭の猫科肉食獣と人間の触れ合いを描いた映画。
まず何から言ったら良いのか……唖然としてしまう。
1982年ということで、CGのない時代。出る動物は全て本物。
ナショジオやダーウィンが来たの実写映画版みたいな。
ジャパリパークのアメリカ版とかw 日本人が擬人化のかわいいデフォルメで楽しむところアメリカ人はガチということで。
冒頭めちゃくちゃ長い注意書からスタート。
まぁ、現代なら炎上案件。ただ動物は無傷でも人間はズタボロでしょうけどねw
ノエルマーシャル×ティッピヘドソン夫婦が監督・脚本・主演。
再婚バツイチ同士ということで2人の連れ子も出演。一家勢揃い。
ホームビデオかよって所帯染みた感じかと思いきや内容は超過酷。
ストーリーはアフリカで動物保護と研究をしてる父親の元へ家族が会いに来て、迎えへ行く父親が手違いで間に合わず、仕方なく家族が先に家へ向かったら猛獣達がお出迎え。
まぁ、ストーリーはあってないような物であんま関係ないんですがw
主役は動物達で、見所は役者の体当たりな演技。
主演のマーシャルさんは本来プロデューサーのはずなんですが、もう、とにかく凄すぎる。
いや、これは誉めちゃいけないのか。ただのバカだからねw
150頭のライオン、トラといった猛獣にもみくちゃにされる様といったら。
それは誰もやりたがらないし自分でやるっきゃないわなw
共演した家族やスタッフは地獄。撮影中は70人以上が怪我したとか。
子供達も一応やりたいからやってるんだろうけどね。親が再婚したと思ったらまさかこんな映画撮るとは想像してなかったやろうなw
本職の役者はヘドソンさんだけで、動物はどう動くか分からないのによく成立するわ。
てか、動物達けっこう演技上手いからな。象は動きスムーズだったし、ライオンが撃たれるシーンは着ぐるみなんじゃねぇかとw
ここは指導がよく行き届いてる証拠かな。
動物の演技を活かすなら、人間はプロより素人を使った方が自然体な表情が取れて結果オーライだったんじゃないかね。
ただそういう努力も空しく、興業収入は爆死w
撮影11年、製作費20億円。しかし、興収数億円。
苦労に見合わな過ぎて途方にくれる。
クレジットに何故か日本人の名前。撮影長すぎでハリウッドにそっぽ向かれて途中で日本が出資したらしいけど、もうグタグタw
ストーリーが尻切れトンボなのもそういう理由なんかね。
多分ハンターとの戦いを最後描きたかったはず。しかし、家族再会と謎のフォークソングで終了というw
あんだけ年月とお金掛けても追っつかなかったんやろな。
それだけ製作が難しい作品だったろうし。体が持たないってのもあるだろうけどw
ヘトヘトの血みどろ。あれどこまでが血糊なんだ?
絶対本物も混じってるよね。まずライオンの鬣が血塗れでビビるw
多少は餌付けというか、保護センターとかの敷地内でやってると思うんだけど。
そりゃ野生のを集めただけじゃ怪我どころじゃ済まないわなw
半飼育の状態とはいえ、それしてもジャレつきが凄い。
1匹2匹ならまだしも数が。人間にもたれ掛かったりするとヒヤッとする。首とか簡単にへし折れるだろうに。
でも、ちょっとずつかわいく見えてくる不思議w
特にトラがかわいい。船に取り残されたり、天井から覗いてみたり。
後、他の動物達も印象的。バイクにキリンやバッファローが並走するシーンは画になる美しさ。
何気にライオンより象の方が怖いような気するしね。アフリカの雄大さがよく表現出来てた。
自然の怖さや人間がいかに小さい存在か。その一端を知ることができる。
演出といい労力といい、2度と作ることができない。後にも先にもこの作品しかない。
そういう一点に置いてはスピルバーグすら越えた怪作。
では、また。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます