双極性障害は、Ⅰ型とⅡ型に分けられます。
頻度としてはⅡ型の方が多く、Ⅰ型の生涯有病率は1~2%程度、Ⅱ型の生涯有病率は3~8%程度です。
Ⅰ型もⅡ型もどちらも双極性障害なのですが、躁状態の程度に違いがあります。
Ⅰ型は、躁状態とうつ状態を繰り返す
Ⅱ型は、軽躁状態とうつ状態を繰り返す
と躁状態の程度が異なるのです。反対にうつ状態の程度はどちらも変わりません。
気分は数値化できるものではないため、どこからが躁状態でどこまでが軽躁状態なのかを厳密に区切ることは困難です。
しかし、おおよその感覚で言うと「日常生活に著しい支障を来たしている躁」が躁状態、
「躁状態ではあるけども日常生活は著しい支障までは来たしていない」のが軽躁状態だと考えられています。
躁状態も軽躁状態も、気分の高揚という症状の性質は同じです。気分が晴れ晴れとし、
自分は万能で何でも出来るような感覚を覚えます。
自分は優秀で他者が自分よりも劣っているように見えるため、しばしば攻撃的になったり易怒的になったりもします。
その程度が「生活に著しい支障を来たす程度かどうか」によって躁状態なのか軽躁状態なのかは区別されます。
双極性障害Ⅰ型は、躁状態が認められれば、明らかに「おかしい」と他者が感じるほど気分が高揚するため、診断は比較的容易です。
別人のように気分が顕著に高揚する
マシンガンのように一方的にしゃべり続け、話の内容もコロコロ変わって一貫しない
「すごいビジネスを思い付いた!絶対成功する!」と言い、明らかに再現性の低そうなビジネスを始めようとする
気が大きくなって巨額の借金をしようとする
などが認められれば、いつものその人を知っている人であれば、すぐに「おかしい」と気付きます。
しかし一方でうつ状態のみしか出ていない状況ではうつ病と鑑別することは困難です。
対して双極性障害Ⅱ型は、軽躁状態が出たとしても「ちょっと気分が良いだけ」ともとれる気分の高揚に留まるため、
それが軽躁状態なのかどうかを判断するのは難しいことがあります。
更にうつ状態の時はⅠ型と同じくうつ病との鑑別は困難であり、ここから双極性障害Ⅱ型は診断は難渋することが少なくありません。
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