「ペットロス」とは、「ペットを亡くした」という飼い主の体験自体やそれによる悲しみのことを言います。
そのため、ペットロスは全く珍しいことではなく、ペットを亡くした飼い主であればだれでも経験する出来事なのです。
しかし、中にはそういった悲しみが重症化して、心の病や身体的な病気を患ってしまう人もいます。
こういった症状を「ペットロス症候群」と呼ぶことがあります。
近年、ペットロス症候群という言葉を目にすることが増えましたが、そこにはペットと飼い主を取り巻く環境の変化が大きく関係しています。
昔は「使役動物」として飼われていたペットたちが、時代を経るごとに「愛玩動物」、
さらには「伴侶動物(コンパニオンアニマル)」と呼ばれるようになるまでペットの地位が向上しました。
加えて、近年の核家族化・少子化といった人間社会の環境変化が重なり、家族としてペットを捉える人が増えています。
こうしたペットの社会的地位の向上に伴い、獣医療やその他ペットサービスが発達したことで、ペットの平均寿命は近年増加傾向にあります。
ペットの寿命が伸びれば私たちがペットと共に暮らす時間は増え、その分だけ亡くなった時の悲しみが大きくなるのです。