従来より【形容詞の新語】はなかなか生産されにくいとされてきましたが、その傾向もだんだん拘束力がなくなってきているような兆しを感じます。
「エモい」が強すぎるせいか目立ちにくいのですがネット打ち言葉文化の萌芽で「びみょい」とか「ガジェガジェしい」といったような自由な新語を目にする機会は確実に増えてきており、
日本語に限らず外国語文化の中にあっても「instagrammable(インスタ映えする)」であるとか「rageux(ネット上で過激な意見を主張する人)」などにみられるように話題を映す鏡として【形容詞の新語】の需要は高まっているようであります。
そこでまずはこのコピペから
798名無しさん@英語勉強中 2018/09/20(木) 02:04:29.56
イ形容詞は丁寧形が不自然になりやすい。
白いです
白かったです
話し言葉だと違和感がないが、書き言葉では避ける人も少なくない。
なのでイ形容詞の新語は丁寧さを必要としない言葉が多い。
うざい
やばい
(引用:5ch English板より)
…なかなか鋭い分析ですね。
日本語のフォーマルな新語としての形容詞語がみられないのも、ここらあたりに遠因があるのかもしれません。
さてペンタクラスタキーボードの操作体系において形容詞には別口入力の提供を検討したことはあるのですが結局採用には至っておりません。
やはり造語新語生産性が低いとみて喫緊の必要性をあまり感じなかったからであります。
確かに一度は別口入力で終止形/連体形活用語尾「い」について新規採用の可否について考察したこともあるのですが
全ての形容詞にいちいち「い」をマーキングするのも煩わしいですし、「ぽい」「たい」「いい」「ほしい」など頻出フレーズへの対応を考えると頭を抱えてしまいます。
あとはわざわざ別口入力を用意してまですることなく、用言フレーズなのであるから三属性変換のロ万で末尾いのつく未知語をたとえば「イスカンダルい」のように形容詞解釈させる道も用意してやればいいのではないかという小細工で処理すればいいとの認識もありました。
このあたりの考察は過去記事
未定義③キーにあてる別口入力キー候補その4…[い] - P突堤2
形容詞も思い通りに変換したい - P突堤2
にて触れておりますので興味のある方はどうぞご覧ください。
こうして一度はスルーされた別口入力「い」だったのですが、
しかしこれを別口入力「く」(連用形)とした場合、もしかしたら再考の余地があるのではないか…との考えがよぎってきました。
ここでは詳しくは述べませんが、連用形なら頻度は少なさそうですし、補助形容詞との連結も「い」のときよりは抵抗感がやわらいでいるかと思っております。
そこで思い切ってカテゴリを独立させて、別口入力「く」(連用形のひとつ)の実現性について今後の記事で深掘りしていこうと思いますのでそこらあたりについていろいろ書いていこうと思います。
新カテゴリ名は
形容詞研究
であります。
これに伴って[形容詞も思い通りに変換したい - P突堤2]だけはカテゴリ移動させて
[変換三属性+通常変換のシステム考察] から [形容詞研究] のほうへ移しておきます。なのでこの記事は同カテゴリの中の2番目の記事となります。悪しからずご了承ください。
研究という大仰なカテゴリ名ではありますがいままで形容詞を軽視していて別口入力という可能性を見落としていたという悔悟の念もありますし、昨今の新語の趨勢への期待感も込めて少し背伸びをして真摯なタイトルにしてみました。
書けそうなことは別口入力以外にも形容詞新語、規定成分のチャンクのとらえかた、形容詞転成の副詞、旨っ・辛っ・安っのようなイ落ち形態、それに第三形容詞などなどいろいろありますので
新カテゴリを銘打つに足るコンテンツが書ければ良いかと思います。至らぬところもあるかとは思いますがどうかご期待ください。