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文学や史跡で登場するマチを旅しながら、折々、紹介することを心がけています。

カン・知恵・技術で高めた循環型社会 環境負荷を考える三冊221008

2022年10月08日 11時14分26秒 | 時代
カン・知恵・技術で高めた循環型社会 環境負荷を考える三冊221008

 手軽に読めて、持続可能利用を考えるならこの三冊ではないか。
1)石川英輔著『大江戸リサイクル事情』 講談社文庫 2008年。
  江戸時代は「太陽に水、植物と空気で暮らしが成り立っていた」。そう表現して、江戸時代の時代特性を<リサイクル社会>にあり、とする。
 
 2)田中優子著『グローバリゼーションの中の江戸』 岩波ジュニア新書 2012年。
  日本発の伊万里焼、彩色浮世絵、再生の技術。大きなグローバリゼーションの波がうねるなか、その波にのまれることなく、独自の〈自前〉文化を保ちつうづけた江戸時代。
 
 3)前田正名著「滞仏中の無事」 『前田正名自叙伝』所収 一匡社 1937年。
  パリ万博で正名は三点の実演を公開する。その一はなんと「忠臣蔵」の脚本を変書き、演出することであった。「日本には(西洋の)神とは違う神がいる」。西欧は戦争で荒廃している。

 江戸時代はコメの生産高増加で、3000万人の人口を支えていた。
 今日、これまでに1億3000万人規模を有することができた背景には、目をみはる産業の発展が基盤となっている。

 「それしか方法がなかった」「そんなことしかできなかった」。それゆえ、庶民はまことに貧困であった。
 
 ワラ、竹、灰。みな太陽エネルギー。なにか説明はできなかったが、庶民の多くが「カン、知恵、技術」を広く持ち合わせていた社会。
 今、モノつくり産業でリコールが繰り返されて、技術の劣化が指摘される。大学の研究論文やその引用件数で国際的にヒケをとる。

 大衆がささえ培ったカン、知恵、技術。エリートのそれらが評価される時代に、<落とし穴>はないか。
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