父は2019年に95歳で亡くなり 今月11月で5年が経ちます。
父は88歳の時に、腹部大動脈瘤の大きな手術をしました。
それまではこれといった病気をしたこともなかった人なので、術後しばらくは多少体調が不安定ながらも、比較的元気に暮らしていられました。
ただ、93歳を過ぎてからは、肺炎や心不全といった症状に見舞われることが出はじめ、次第に入退院を繰り返すようにもなり、最期は病院で旅立ちました。
その後、母は2022年に96歳で亡くなりました。
母親は入院するようなことはなかったものの、85歳を過ぎる頃から認知症が進行していき、在宅で約8年介護し、最期は介護施設で。
認知症状が進んでいく母のことは、要介護4になってからもずっと兄とふたりで在宅介護をしていました。
その後、父が具合が悪くなってからの約2年間は、まともに睡眠も取れないような状況下で、父親と母親のダブル介護をすることになったのです。
当時は手がかかる母の方にばかり手厚いお世話をし、頭がしっかりしていた父のことは後回しにしてしまう場面も多々ありました。
そのせいか、今でも父のことを思い出すと、「ごめんね」という気持ちとともに、胸がぎゅっと痛むこともあります。
母の方は、限界まで家で看てあげられたからか、介護に関する後悔といったものはほぼないのです。
私はずっと日記をつけているので、今でも当時の介護記録を読み返します。
もう限界を超えてると思っても、頑張り続けていた当時の私。
それでも、私が人生で両親から与えられたものに比べれば、ほとんどお返しにもなっていない気がする。
だけど、あの頃の自分は本当によく頑張っていたなと、満足感をたたえて両親のことを思い出すと、感謝の想いがあふれてくる。
大変だったけれど頑張った記憶は、これからを生きる力になっている。
火葬の時、私が母にかけた最後の言葉は
「また会えるよ!」
私にとってはそれはしばらくの別れに過ぎないと思えた。
心配性の母にもそのことをしっかり伝えておきたいと思った。
11月は私が1年で1番好きな月。
父の命日は、私が1番好きな月に巡ってくる。
私はいつか自分がこの世から旅立つときは11月がいいなと、
ここ20年位前からずっと思っている。