こんにちは れいです。
昨日伸ばしに伸ばしていた気の重たくなることをしてきました。
娘ちゃんはとっくの昔に神様から虹の橋の住民票をもらっているのに
私はなかなかお引越しの手続きが出来ずじまいでした。
一人暮らしをすることになったときから
1ヶ月以内に手続きをしないといけないという決まりが虹のしたではあること、
ボスも私もわかっていたけれど
1ヶ月以内なんて出せないですよ?しんどくて(苦笑)
手帳の2月を開いたとき
「娘の役所、今月中に出すこと」
と書いてあった。
そうか…もうギリギリなんだな、と。
2月を過ぎてしまうと狂犬病予防接種のお知らせのはがきが届いてしまう。
自分の悲しみが増すだけなので
どんなに遅くても必ず今月(2月)には行きなさい、と
過去の私が短い文章で教えてくれた。
去年の7月から今年の1月までの間で
この件に関する記述がされているページはどこにもなかった。
悲しみが充分癒える頃合は自分が一番わかっていたのかもしれない。
役所に行きエレベーターに乗る。
正面の鏡に”気が重いです”とでも言いたげな顔が映っている。
消え入りそうな声で犬が亡くなったんですが、というと
係りの方が一瞬気の毒そうな顔を見せ
「ええ~と犬の死亡 犬の死亡…」
と言いながらすぐに用紙に事務的なレ点を入れる。
…犬の死亡?
犬なんて飼ってないよ。
亡くなったのは私の”娘”なんですけど。
心の中で何かがざわつく。
その場で書けないことはわかっていたのでいったん家に持ち帰り
用紙と鑑札、狂犬病予防接種済み札をテーブルの上に置いた。
何とはなしにじっと見つめる。
狂犬病のほうを手に取り裏返すと忘れていたものが目の前に広がり
途端に指先が震え出す。
滲んでいく世界の向こう側に
一緒に遊んだランでのことや
おいしそうにお菓子を頬張る姿
引き千切った段ボールの欠片など
彼女と過ごした楽しかった思い出ばかりが蘇っては消えていき
私は親指で何度も何度も撫でた。
悲しくて涙が止まらず
ハンカチが絞れるほど悲しい涙でいっぱいになったのは
どのくらいぶりだろう。
裏に書かれていた文字は私が油性マジックで書いた
自宅の電話番号と娘の名前だった。
感情を爆発させて泣きに泣き、
落ち着きを取り戻したところで再び役所に出向き用紙を提出した。
8ヶ月かかったがこれで虹のしたの手続きも終わった―
帰りのエレベーターの鏡に映った私は今にも泣き出しそうで
何も考えずに家まで帰るように努めた。
お線香を1本手向け
「娘ちゃん…
遅くなっちゃったけど虹のしたの手続きも終わったよ」
と声をかける。
いつもと変わらない笑顔で笑っている娘。
ママ、わらって? …か。
今日は勘弁して。
ママ堪えたわ…
充分時間をかけたつもりだったけど
まさかここまで悲しくなって泣くとはね…
娘はもういないのだ、と
痛いほどに実感した午後だった。