Hさんはご主人の仕事の関係上、自宅と仙台の両方を住み分けている。
庭には白のモッコウバラが香り、Hさんのセンスでイギリス風にまとめられている。
リビングの大きな窓からは全体が見渡せるように庭が広がり、毎日贅沢な気分を味わっていることがわかる。
夕方、日が沈んだ後の数分の庭が好きというHさん。
アーチストだ。感性が並みはずれている。
お喋りが過ぎ薄暗くなってから、草花を掘り起こしたHさん。
持参した紙袋やダンボールにそれを入れてもらい帰ってきた。
帰宅したとき、少しの明かりが残っていた。
それを頼りに草花を庭に植え込んだ。
翌朝、はたと気づくともらってきたはずの「藍」がなくなっている。
いくら探してもない。
まだ小さかった苗のような藍だった。
他のものとまぎれて土に埋めてしまったとしか考えられない。
Hさんにメールした。
「愛を見失いました」と。
すると帰ってきたメールはとっても素敵!
なんというSubject!
ドキューン・・やられたぁ。
そっちの藍はお代わりもありますので帰ったら本と一緒に届けま~す!
Loveは大切に。
お代わりなしだもの!
こちらこそ遅くしてしまって。
せっかくいただいた愛だったのに・・。
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