昔の同僚であるYである。
辰巳芳子の「ポタージュ・リエ」「ポルトガル風人参ポタージュ」「ポタージュ・クレール」を試みた。
リエは最終的に全部の野菜を裏ごしして使い切ったもの、クレールは野菜のエキス分だけを出したコンソメである。
入院したての頃に初めて持っていったのがパンプキン・スープ・・栄養士でもない私が病気の人にお見舞いとしてスープというのは勇気のいることである。
その夜は眠れなかった。
喜んで食べてもらえたことがわかり、胸をなでおろした。
2度目は、辰巳さんのレシピで作った。
裏ごしをしなかったがその喉越しには満足されたようだ。
3度目、先日の土曜日である。
胸が苦しいスープが美味しかったとひと月ぶりにYからのメール。
ポタージュ・リエをきちんと裏ごしをしたものを持っていく。
顔を見て話すと疲れると思い、玄関口に鍋ごと置いてきた。
「口、喉、胸に滲み渡って美味しかった」とメールがあった。
病院から出されている缶詰のスープなのだろうか?
それとは比べにならないという。
写真は、ご主人の運転で朝早く我が家の入口、きのこのオブジェに置いてくれた夏野菜たち。
酷い状態のはずなのに・・とYの気持ちを思った。
月曜日、朝早く起きたので「起きてる?」のメールをすると胸が苦しいのでまだ寝ていますという返信。
前日夜に「ポタージュ・クレール」を作り、朝に早く目覚めてしまったので手紙もメモ書き程度に準備しておいた。
が、Yの気持ちを考え、作ってあるとは伝えなかった。
何か口にした?の返信は、
「午後に少し気分がよくなり、お粥とスープでいただきました・・」とスープはYの役にたっていることを知る。
それではと思い、冷蔵しておいたクレールを玄関口に置いてきた。
その日の夕方、お鍋を返したいから外に出ていてほしいとメールがあり、恐る恐る外で待つ。
活動的だったYもご主人の運転に頼るしかない今を悲しく思い、私もなるべくなら会いたくなかった。
ひと月前に会ったときとあまり変わらない様子に安心したが、疲れると体に障ると思い、早く帰るようにと促した。
クレールは、初めて作ってみた。
辰巳さんの指定は玉ねぎなら淡路産、塩なら粟国の塩、しいたけは日本産原木干し椎茸と拘りがある。
そこが料理研究家として素晴らしいと思う。
それで私は材料選びに慎重を期して病気のYのためのスープ作りを試みていた。
今日は、孫のMのためにパンプキンスープを作った。
今月で2歳になり、とても言葉を話せるようになり、楽しくなってきた。。
淡路産の玉ねぎも使い、作ったパンプキンスープ・・。
「じいじ・・これおいしいよ・・」夫がMのスープを一口飲むと・・
「どお?」
生まれて2年で日本語の会話が素晴らしい。
私の英語は何年かかっているんだ~という思いになった。
こんな風に、幸せなスープ作りはいい。
でも、辰巳さんのスープが必要なのは今の孫のMではない・・。
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