風は東楡の木通りから

クリスチャンフルート吹きパスピエの愛する音楽、猫たち、薔薇の毎日

巾着田

2007-03-10 23:39:28 | お出かけ・旅行記
今日はだんなにワガママを言って巾着田につれていってもらった。

巾着田は埼玉県の日高市にあって川が丸く囲むように流れていてその中の土地が巾着のような形をしている。秋には赤い曼珠沙華(彼岸花)の花がまるで赤い絨毯のように咲き、また春は桜と菜の花、レンゲの花もきれいだ。そんな頃は観光客が大勢訪れる。すごい渋滞になるし出入りにも時間がかかる。

でも私と長男は大勢の人がいるところは苦手である。特に長男はだめ。

一度早春の巾着田を訪れた時があり、のどかな風景が忘れられなかった。早春の巾着田にもう一度行きたかったのだ。

実はちょっとした思い出がある。

その頃、ドビュッシーのピアノ曲「6つの古代のエピグラフ」をフルート、ピアノ、バイオリンでやってみようという話があった。第一曲「パンの神に捧げるために」と題された曲は牧歌的なフルートが主旋律になっていた。

パンはギリシャ神話の牧神。まぁ、私はクリスチャンだから音楽は主イエス様に捧げているけどこの曲をどう表現したらいいかピンとこなかったのだった。

そんな時この巾着田を訪れた。
まだ寒い時期で木々も芽を出し始めの頃、冷たい風が吹くたびに木々がさやさやなり、川のながれる音がする。鳥のさえずり。

そのとき悩んでいたあの曲が頭の中で流れ出した。
ドビュッシーがどんな気持ちで作曲したのかはわからないけど、きっとこんな感じなんだろう。ドビュッシーのメロディーが風の音だったり木々のすれる音だったり川が流れる音、鳥のさえずりとなってきこえたのだった。

(残念ながらバイオリン奏者が降りてしまってこの曲を実演することはなかった。)

だから、巾着田は私にとって「6つの古代のエピグラフ」の曲のイメージなのだ。
今回そのときの風を感じたくてダンナにつれていってもらったのだった。

穏やかな天気に恵まれていろいろな野鳥が見られた。シジュウカラ、コゲラ、キセキレイ、トビ、ハヤブサ(と長男が断言。)

しかし、こんな時、行方不明になるのはいつも長男である。
しばらく彼をあちこち探す。そうして長男はいつもひょっこり悪気もなく現れるのである。野鳥図鑑を片手に散策していたそうだ。ついでに木の種類も調べていたみたい。こういうことが本当に好きな子だ。

次男は川原できれいな石を見つけていた。彼は小さな時から石集めが好きだ。いろんなコレクションをもっている。今日は好みの石がなかったらしい。

秋には曼珠沙華でいっぱいになる散策路ゆっくり歩いて川原に入っていった。川原にできた水溜りに小さな黒いおたまじゃくしがたくさん泳いでいた。やっぱり自然の中はいいな。

写真は巾着田の中を流れる水路わきに咲いていた菜の花。もう少しすると桜とレンゲが仲間入りする。