風は東楡の木通りから

クリスチャンフルート吹きパスピエの愛する音楽、猫たち、薔薇の毎日

ある夏の日の午後

2009-08-17 20:52:02 | Weblog
今日はいいお天気。

今日は仕事の帰りに駅の反対側に散策に出かけたのだ。
そこは以前住んでいた市ではあったけど私は反対側にすんでいたのであまり散策したことのない場所だったんだ。
ここの道を通ったをどこに出るんだろうか、なんだかわくわくしながら自転車を走らせた。

畑や雑木林、お寺、神社、ミンミンゼミの声、日差しが強いけど草木の緑がまぶしい。

坂下のほうに杉林、大きなお寺、お墓があり、道はある農家の前で行き止まりだったり、どんぐり山という緑の散歩道がある小さな森。水路、背の高さまである草木、そんな中をトンボが横切っていく。

なんだか懐かしいな。農家の人が畑で何かを燃やしたようでその煙の臭いもなつかしさを感じた。

私が幼少の頃から小学生の頃まで夏になると母の実家にあずけられた。
その時の記憶なのかもしれない。

よく戦争の映画で田舎に疎開した子供が出てくるけど、ちょうどそんな感じ。
母は群馬県吾妻郡の出身で緑の豊かないいところだった。今は川はコンクリートで固めてしまってどぶ川のよう、水田だったところも道路が通りまるで風景が変わってしまったが、私が小さなころは広い水田の中に映画でしか見られないような古い木造の小学校があり、川の水は豊かでちょっとした渓谷のようだったのだ。

田舎に行っても友達はいないし、従姉妹のお姉ちゃん達は年が離れている。だからよく田舎の家の周りを散策したのだ。水路をじっと見ているとドジョウが、小さな沢ガニが流れてきた。

今は虫が大の苦手になってしまったが、虫アミを持ってセミやトンボをとった。母の友人のおばちゃんの家には可愛い子猫がいていつもあそびにいった。夕方、たぶん叔母さんが夕飯のために鶏を絞めたと思われる料理の匂いがしてくる。夜はお爺ちゃんがフクロウの物まねをして私をからかい、夜汽車の音で眠りに就く。

何だかそんなことを思い出しながら自転車をこいでいたのだった。

帰り道この近くのおいしいと評判の和菓子屋で名物の珈琲大福を買おうと思ったのに残念ながら定休日。別の和菓子屋に寄ったら可愛い和菓子をみつけたよ。



金魚鉢に見立てた寒天のお菓子。いかにも夏らしい。中に砂利に見立てた小豆が数粒、羊羹でできた可愛い金魚とハスの葉。涼しげで食べるのがもったいなくらい。


なんだか思いのほか良い夏の午後を過ごせた。