チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「くるみ割り人形#13(花々のワルツ)2個口の1」

2005年12月27日 15時10分39秒 | chiuso着ぐるみ割り人形を噛む
浅田真央選手のFPのしょっぱなが、このワルツ冒頭である。
他選手らの、ラフマニノフの「2番pf協」や、
レオン・ミンクス一世一代の作「ドン・キホーテ」をもってしても、
雲泥の差がここですでについてしまう。
SPの「カルメン」といい、選曲のセンスの違いも実力のうちである。
それはともかく、「花々のワルツ」は、
チャイコフスキーの秀でた音楽感性がさらに冴えわたった
「くるみ割り人形」の中でも、その極みともいえるナンバーである。
テンポ・ディ・ヴァルス、3/4、2♯。
導入は(オボ、クラ、ファゴ、ホルン)*2という8重奏である。
♪【ソー<シー<レー│<ミーーー>レー│レーーーーー│ー】♪
と思ったら誤りである。「導入部附き」の「舞台音楽」において、
チャイコフスキーは「導入部」を主部の「属調または下属調」で開始する、
という古いシキタリを踏襲することが多い。ちなみに、
「悲愴交響曲」の導入部が主部ロ短の下属調ホ短で開始される
(かつて、この導入部はまぎれもない「ロ短」だ、と言い張った
「指揮者」とやらがいたのにはあきれはてたが)のは、
レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」が「舞台」であるのと同様に、
この交響曲が「舞台音楽」である、ということをほのめかしてるからである。
それはさておき、この「ワルツ」は、前ナンバーの終止「イ長」を受けて、
ワルツ主部「ニ長」の属調たる「イ長」で開始されてるのである。
♪【ドー<ミー<ソー│<ラ(減7)ーーー>ソー│ソーーーーー│ー】♪
このワルツのタイトルは「ヴァルス・デ・フルール」、
「花々のワルツ」である。このナンバーは、
36名の女性、36名の男性、計72名のコール・ドゥ・バレエが、
「婚約者のふたり」に花々を贈呈して祝福する場面である。ときに、
「花の女神」は「フローラ」である。前バレエ「ねむり」の王の名は、
それと同源の「フロレスタン」であったが、娘・一族や城ともども、
「ねむり」という監獄に100年間閉じ込められてたのである。
「デズィレ(心の欲するまま)王子」が娘オロールに口づけしたことによって、
父も城も廷臣らも「開放」された。いっぽう、
ベートーフェンのオペラでは、「フィデーリオ(信頼に足る者)」
に男装した「レオノーレ」が亭主「フロレスタン」を救い出そうと、
アンダーカヴァーな潜入をする。
♪【ド<ミ・ー<ソ│<ラー・ー>ソ│】>ミ>ド>ラッ>ソッ│ソッ♪
さて、ハープのアルペが応答して、ホルン1管が加わり9重奏。
ここで「ニ長」にシフトするのである。
♪ソー<シー<レー│<ソーーー>ファー│ファーーーーー│ー♪
さらに、ホルン1管が足されて、10重奏。
♪シー<レー<ファー│<ラーーー>ミー│
<ソーーーファー(この小節でティンパニの属音トレモロが入るのが
効いてるのである。他の作曲家にはとうていできないセンスである)│
ファーーー>♯ドー│<ミーーー>レー│レーーー>ラー│
<ドー>シー>ラー│>ソーーーーー│ー♪
ここからは、ハープによるカデンツァ・アド・リビトゥムである。
主部は中低弦による「ワルツ律動:ズン・チャッ・チャッ」が率いる。
シテ主題はホルン4管によって歌われる。
♪ソー<ドー<ミー│<ファ(減7)ーーーーン>ミ│
ミーーーーー│ーーーーーー♪
シテツレ主題は1番クラのソロである。
♪●●ソ<ラ<シ<ド│<♯ド<ミ>♯ド<ミ>レ●│
●●>♭シ<ド<♯ド<レ│<ミ<ソ>ミ<ソ>ファ●│
●●>レ<ミ<ファ<ソ│<♯ソ<シ>ラ>♯ソ<ラ<シ│
<レ>ド>シ<ド>ラ>ファ│>ミーーー>レー│
ー>♭レ>ド>シ>ラ>♭ラ│>ソ♪
このクレッシェンド、そして、ディミヌエンドの塩梅は、
クラ奏者のセンスが試される。二度めは、
♪●●ド<レ<ミ<♯ファ│<ソ<ラ>♯ファ<ラ>ソ●│
●●>ファ<♯ファ<ソ<ラ│<シ<ド>♯ラ<ド>シ●│
●●>♯ラ<シ<♯ド<♯レ│<ミ<♯ファ<ソ>♯レ<♯ファ>ミ│
<ソ>♯レ<♯ファ>ミ<ソ>ミ│<ソ>ミ<ソ>ミ<ソ>♯レ│<ミ♪
チャイコフスキーに特有な音づかいな節である。じつに蠢惑的である。
ワキ主題は弦楽合奏であるが、ピッツィのコンバスをバストロが補強する。
♪『ミーーー』>シー│<『レーーー』>ラー│<『ドーーー』>ファー♪
♪『ファーーー』>ドー│<『ミーーー』>シー│<『レーーー』>ソー♪
『第1拍および第2拍の2分音符部分』という骨子を繋げば、
♪『ミーーー』>『レーーー』>『ドーーー』
<『ファーーー』>『ミーーー』>『レーーー』♪
「5番交響曲」主章ワキツレ主題である。ともあれ、
合いの手を木管群が受け持つ。
♪シ<ド>シ<ド>シ・>♯ラッ・<シッ♪
これを下品で汚い音で奏させる指揮者が巷には少なくない。
聴衆小力をなんと思ってるのか。なめてるのか。
たいしたもんである。オツムが切れてないですよである。
シテ主題が再奏されるが、フル2管のユニゾンの合いの手がすばらしい。
♪●ソ<ラ<シ<ド<ミ│<ラ>ソ>ミ>ド>ラ>ソ♪
♪●シ<ド<レ<ミ<ソ│<ド>ソ>ミ>ド>ソ>ミ♪
♪●●●●●ミ│>レ>♭シ>ファ●●●♪
♪●●●●●ソ│>ファ>レ>ラ●●●♪
♪●●ドー>ラー│>ファー>レ>ド<ファ<ラ│
>ド<レ>ド<レ・>ド<レ>ド<レ・>ド<レ>ド<レ>ド│>シ♪
シテツレ主題の再奏は、弦群の「f」に対して、
呈示のときにはなかったハープが「ff」で爪弾くのである。
ここを、弦をガンガン弾かせてハープの音を消してしまっても
まったく気にしない無神経極まりない指揮者が巷には溢れてるのである。
それをありがたがって聴く者も多いようである。
たいへん喜ばしいことである。
真にチャイコフスキーを愛する者は、少数精鋭でしかるべきである。 いっぽう、
大勢のファンを獲得した浅田真央嬢ではあるが、人心は
移ろいやすいのが常である。ちょっと前にはあれだけ騒がれたミキティも、
真央嬢の前ではカゲもなし。4年も経てば……。
・花のワルツは、移りにけりな。
  徒に、我が身世にアイフル、中目せし真央に。(小野真弓小町)
前アコムの小野嬢の上前歯2本が黄ばんでるのと、
アイフルの安田美沙子嬢は
♪かんたん、きれいな、ふっでっおぅ~~。
 たんたん、たぬきの、ふっでっおぅ~~♪
のTVCMのヘアメイクのときがもっとも綺麗に映えるのを、
「ちゃぁ~んと、確認しなくちゃぁっ!」(熊田曜子嬢)、である。
いずれにしても、彼女らいわゆるグラヴィア・アイドルは、
スタイルがいいのである。健康器具でも使ってるのかもしれない。
♪スタァ~ィリィ~、スタァィリィ~~。スタァ~ィリィ~、スタイナ~~♪
ともあれ、英人ヴィヴィアン・リー女史の「南部」訛りが懐かしい。
「トゥモロウ……イズ・アナダ・デイ(明日は明日の風が吹く)」
風の向くまま、気の向くまま。人生の重大な節目においても、
スカーレットはアスに希望を託すのである。しかし、
タラ・レバは歴史にはないのだそうである。中途半端はだめなのである。
(中部以降は、2個口の2に)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「くるみ割り人形#12-f... | トップ | 「くるみ割り人形#13(花... »

コメントを投稿

chiuso着ぐるみ割り人形を噛む」カテゴリの最新記事