アン・アメリカン・バンド、The Beach Boysの幻と言われ続けて44年、1967年当時に発表されていれば、The Beatles の歴史的名盤『SGT PEPPER LONELY HEARTS CLUB BAND』をもしのぐとされた伝説の『SMiLE』が、『SMILE SESSIONS』という形で発売された。
ビーチ・ボーイズ(ブライアン・ウィルソン)がサーフィン・ホッドロッド、夏・海・女の子だけのバンドじゃないことや、SMILEの伝説については改めてここでは書きませんが、これはもう大事件です。
SMILEは、ビーチ・ボーイズの中心人物、天才ブライアン・ウィルソンが永遠の青春を盤に封じ込めた、そして、ビートルズのポール・マッカートニーをして「これを聴いて初めて音楽の教育を受けたと言える(4人の子供達に1枚ずつ買い与えたというエピソードあり)」と言わしめた『PETSOUNDS』(1966年)完成後に取り組んだアルバムだったが、諸事情(興味があれば調べてみて下さい)で製作中止になった。これがきっかけでブライアンは以後20年に渡り半リタイア状態となる。しかし、80年代後半に奇跡の復活、例えるなら生まれたまんまの状態での復活となったが、なにはともあれ、2004年には信じられないことに協力者の多大な援助があったもののブライアン・ウィルソンの手によってSMILEはライブステージで復活した。
そもそものSMILEはリードシングルであり、実験的手法で録られながら仕上がりはあくまでポップな超名曲「GOOD VIBRATION」(全米・全英ナンバー1)での試み(別々に曲の断片を録音しつなげる)を楽曲のみならずアルバム単位で行うものとなるはずだった。これを聴く多くの人に笑いを、という心から生まれるはずだったアルバムだったが、ドラッグによる集中力の拡散やメンバーの反発・軋轢から、すっかりやる気を失った(生きる気力も)ブライアンは制作を断念した、不運なアルバムである。
それが、ステージで復活(当時の構想が不明であるため、再現ではない)した上、アルバムとしてもまとめられ、絶賛を浴びた。
今回のSMILE SESSIONSはブライアン(とそのチーム)が再構築した2004年SMILEをひな型に、ビーチボーイズとして1966~67年に録られた断片をまとめたものだ。
未完成のため、部分的に録られて無い音もある。
後日録られたリメイクから持ってきた音や、それでも無いものはそのままだ。
しかし、それでも感動を覚える。
ブライアンによるSMILEを聴いたときにもその創造力に度肝を抜かれたけど、これがビーチボーイズの瑞々しい歌声で再現されたら?とも思った。MDでビーチボーイズ音源をブライアン版の通りつなげてみようとしたこともあって、途中で面倒になってやめたけど、やはりこの考えは間違えではないと思った。
それが今回オフィシャルで出た。それどころか、音質も磨かれ、再編集され、最良の形で作品化された。
それを受け入れるまでブライアンには44年の歳月が必要だったのだ。
今回の発表に当たっては、レギュラー盤の1枚もの(本編+関連曲と重要アウトトラックからなるボーナストラック)、デラックスエディション2枚組(前述レギュラー盤と重要アウトトラックを1枚に編集したもの)、そしてコレクターズボックス(レギュラー盤1枚、アウトトラック集4枚、本編を重量盤LPに収録した2枚組、シングルレコード2枚)の3種類が発売された。
このうち、私はボックス(輸入国内盤)と、デラックスエディション(US盤ブライアンのサイン入りリトグラフ付き)を注文し、前者が届いたところです。
かねてから、優れた芸術作品は高い値段がついて当然(例えば、ビートルズとポル○グラ○○○○やなんかのCDの値段がほとんど変わらないのはおかしい、といった話)と思っていたけど、超豪華パッケージングで発売されるのはそれなりの値段となっても嬉しい。
ほんとに笑えるくらいに箱がデカい。しかもイラストが飛び出す絵本的な要領で立体になってる。ポスターも異常にデカい。SMILEだけに笑わそうとしているに違いない。
箱を開けるとLPジャケットサイズの豪華本ブックレットが出てくる、その下にはCD5枚とシングルレコード2枚の入ったケース、その下にはLPレコード2枚組(当時LPに付属する予定の写真集まで)。。。といった具合で全てを詰め込んだといった感じ。
この60年代ロック最後の伝説的名盤を封入するにふさわしい暴力的なデカさです。これはもうペットサウンズセッションズの比ではありません。ビートルズのボックスも相当なインパクトと重量がありましたが、1作品でこれというのはもうどうかしているレベルです。こんなファンサービスもなかなかない。価格も決して安くはないですが、これだけ詰め込まれるとお値打ち価格と言えましょう。
ビーチ・ボーイズ結成から50年。いわくつきのアルバムをも放出し、もうほんとにこれで最後を締めくくるつもりなのでしょうか。
届いた時の箱↓
本体の箱とディスクユニオン特典箱。小さい特典箱の中には、5枚のCDケースが。ボックス開閉は面倒だからこっちに入れよということか、お心遣いがありがたい。
見ずらいけどジャケットが立体になっています。そのための厚さ(笑)。
ブックレットとLP(右)。ファン心理を良く分かっていらっしゃる。制作スタッフがこういうのを欲しいってのを作ったのだろう。
マスターテープがデザインされたケースに封入された5枚のCDと、2枚のシングルレコードジャケット(左下)。
ロック史上、最も美しい作品「Surf's Up」最終バージョン
ビーチ・ボーイズ(ブライアン・ウィルソン)がサーフィン・ホッドロッド、夏・海・女の子だけのバンドじゃないことや、SMILEの伝説については改めてここでは書きませんが、これはもう大事件です。
SMILEは、ビーチ・ボーイズの中心人物、天才ブライアン・ウィルソンが永遠の青春を盤に封じ込めた、そして、ビートルズのポール・マッカートニーをして「これを聴いて初めて音楽の教育を受けたと言える(4人の子供達に1枚ずつ買い与えたというエピソードあり)」と言わしめた『PETSOUNDS』(1966年)完成後に取り組んだアルバムだったが、諸事情(興味があれば調べてみて下さい)で製作中止になった。これがきっかけでブライアンは以後20年に渡り半リタイア状態となる。しかし、80年代後半に奇跡の復活、例えるなら生まれたまんまの状態での復活となったが、なにはともあれ、2004年には信じられないことに協力者の多大な援助があったもののブライアン・ウィルソンの手によってSMILEはライブステージで復活した。
そもそものSMILEはリードシングルであり、実験的手法で録られながら仕上がりはあくまでポップな超名曲「GOOD VIBRATION」(全米・全英ナンバー1)での試み(別々に曲の断片を録音しつなげる)を楽曲のみならずアルバム単位で行うものとなるはずだった。これを聴く多くの人に笑いを、という心から生まれるはずだったアルバムだったが、ドラッグによる集中力の拡散やメンバーの反発・軋轢から、すっかりやる気を失った(生きる気力も)ブライアンは制作を断念した、不運なアルバムである。
それが、ステージで復活(当時の構想が不明であるため、再現ではない)した上、アルバムとしてもまとめられ、絶賛を浴びた。
今回のSMILE SESSIONSはブライアン(とそのチーム)が再構築した2004年SMILEをひな型に、ビーチボーイズとして1966~67年に録られた断片をまとめたものだ。
未完成のため、部分的に録られて無い音もある。
後日録られたリメイクから持ってきた音や、それでも無いものはそのままだ。
しかし、それでも感動を覚える。
ブライアンによるSMILEを聴いたときにもその創造力に度肝を抜かれたけど、これがビーチボーイズの瑞々しい歌声で再現されたら?とも思った。MDでビーチボーイズ音源をブライアン版の通りつなげてみようとしたこともあって、途中で面倒になってやめたけど、やはりこの考えは間違えではないと思った。
それが今回オフィシャルで出た。それどころか、音質も磨かれ、再編集され、最良の形で作品化された。
それを受け入れるまでブライアンには44年の歳月が必要だったのだ。
今回の発表に当たっては、レギュラー盤の1枚もの(本編+関連曲と重要アウトトラックからなるボーナストラック)、デラックスエディション2枚組(前述レギュラー盤と重要アウトトラックを1枚に編集したもの)、そしてコレクターズボックス(レギュラー盤1枚、アウトトラック集4枚、本編を重量盤LPに収録した2枚組、シングルレコード2枚)の3種類が発売された。
このうち、私はボックス(輸入国内盤)と、デラックスエディション(US盤ブライアンのサイン入りリトグラフ付き)を注文し、前者が届いたところです。
かねてから、優れた芸術作品は高い値段がついて当然(例えば、ビートルズとポル○グラ○○○○やなんかのCDの値段がほとんど変わらないのはおかしい、といった話)と思っていたけど、超豪華パッケージングで発売されるのはそれなりの値段となっても嬉しい。
ほんとに笑えるくらいに箱がデカい。しかもイラストが飛び出す絵本的な要領で立体になってる。ポスターも異常にデカい。SMILEだけに笑わそうとしているに違いない。
箱を開けるとLPジャケットサイズの豪華本ブックレットが出てくる、その下にはCD5枚とシングルレコード2枚の入ったケース、その下にはLPレコード2枚組(当時LPに付属する予定の写真集まで)。。。といった具合で全てを詰め込んだといった感じ。
この60年代ロック最後の伝説的名盤を封入するにふさわしい暴力的なデカさです。これはもうペットサウンズセッションズの比ではありません。ビートルズのボックスも相当なインパクトと重量がありましたが、1作品でこれというのはもうどうかしているレベルです。こんなファンサービスもなかなかない。価格も決して安くはないですが、これだけ詰め込まれるとお値打ち価格と言えましょう。
ビーチ・ボーイズ結成から50年。いわくつきのアルバムをも放出し、もうほんとにこれで最後を締めくくるつもりなのでしょうか。
届いた時の箱↓
本体の箱とディスクユニオン特典箱。小さい特典箱の中には、5枚のCDケースが。ボックス開閉は面倒だからこっちに入れよということか、お心遣いがありがたい。
見ずらいけどジャケットが立体になっています。そのための厚さ(笑)。
ブックレットとLP(右)。ファン心理を良く分かっていらっしゃる。制作スタッフがこういうのを欲しいってのを作ったのだろう。
マスターテープがデザインされたケースに封入された5枚のCDと、2枚のシングルレコードジャケット(左下)。
ロック史上、最も美しい作品「Surf's Up」最終バージョン