peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

「世界の椿館・碁石」の椿・西王母(せいおうぼ) 2015年12月10日(木)

2015年12月25日 | ツバキ(椿)

2015年12月10日(木)、「世界の椿館・碁石」(岩手県大船渡市末崎町字大浜280-1)に行ってきました。大温室内の「早咲き椿」コーナーに植栽されている「西王母(せいおうぼ)」という名のツバキ(椿)が、淡桃色、一重咲きの花を沢山咲かせていました。

(上と下5つ)この付近にも「西王母(せいおうぼ)」の名札をつけた椿が花を咲かせていました。

椿・西王母(せいおうぼ)ツバキ科 ツバキ属 Camellia japonica Seiobo

 [産地]石川。[花]淡桃色地に外弁に紅色のぼかし、一重、筒咲き、中輪。[花期]9~4月。[葉]楕円、中折れ。[樹]横張り性、強い。[来歴]加賀侘助の自然実生と推定され、幕末より芝山家に植栽と伝わる。[誠文堂新光社発行、日本ツバキ協会編「最新日本ツバキ図鑑」より]


「岩手県立花きセンター」のハナキリン(花麒麟)  2015年12月3日(木)

2015年12月25日 | 植物図鑑

2015年12月3日(木)、岩手県立花きセンター(胆沢郡金ケ崎町六原頭無2-1)に行ってきました。本館(管理棟)の「展示室」エリアに展示されている色々な草花の中に、ハナキリンが、濃紅色の花を沢山咲かせていました。

ハナキリン(花麒麟)トウダイグサ科 ユーフォルビア属 Euphorbia milii var.splendens

 

 マダガスカル原産の低木で茎は直立したり、横に這ったり変化が大きい。刺が針状で強い。葉は茎の先端に少数まとまってつき、倒卵形、倒卵状楕円形で、葉先がわずかに尖る。花は杯状花序で、赤色。熱帯地では垣根などにするが、わが国では鉢物として栽培される。最近、矮性品種も作出されにぎやかになった。栽培:乾燥、低温に強く無加温でも栽培できる。花期:ほとんど1年中開花している。[山と渓谷社発行「山渓カラー名鑑・園芸植物」より]


藤沢周平著「漆(うるし)の実のみのる国」(上・下)を読む! 2015年12月20日(日)

2015年12月25日 | 読書、本

 

体調不良に苦しむ藤沢周平が、最後の気力をふるって書いたという『漆(うるし)の実のみのる国』(文春文庫版 上・下)を読みました。初出:「文藝春秋」平成5年(1993)1月号より8年(1996)3月号まで連載。4月号から中断。8年7月、結末部分6枚を執筆、単行本に収載。単行本:平成9年(1997)5月 文藝春秋刊。

(上)漆(うるし)の実

 作家・評論家の関川夏央(せきかわ・なつお)氏が、この文庫版(下」)の解説(「停滞の美しさ、やむを得ざる成長」)に、下記の通り書いています。

(前略)76年はじめ、つまり『義民が駆ける』と『回天の門』の間隙に、中編小説「幻にあらず」が書かれている。それは、上杉鷹山(治憲)とその重臣竹俣当綱(たけのまた・まさつな)による、破産に瀕した米沢藩財政再建の物語である。『漆の実のみのる国』の先駆をなしたその作品は、中編小説集『逆軍の旗』に収容された。(この解説は、この小説の内容を詳しく紹介しています。)

また、朝日新聞社発行「朝日ビジュアルシリーズ・週刊 藤沢周平の世界」(30号・2007年6月17日号)にも、”関川夏央が読む『漆の実のみのる国』”と題した文章を書いています。[以下の画像は全て、「週刊 藤沢周平の世界」30号より]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


中津文彦著「闇の本能寺~信長殺し、光秀にあらず」を読む! 2015年12月10日(木)

2015年12月25日 | 読書、本

一関市生まれで盛岡市在住の作家・中津文彦著・長編歴史推理小説「闇の本能寺~信長殺し、光秀にあらず」(光文社時代小説文庫、1993年11月20日 初版1刷発行)を読みました。

 表紙カバー裏側にある(上記)ように”信長を殺したのは明智光秀だが、長い年月をかけて綿密に計画を練り、周到な準備を進め、万に一つの失敗もないことを確信していた者たちが必ずいた。プレイヤー(実行者)、マネージャー(監督者)、そしてプランナー(仕掛け人)。歴史というものは、常にそうした者たちによって作られてきているのである。

クーデターを事前に知っていた者たち。それは光秀自身と、そして”闇”の仲間だった。その正体は、最後のページで明らかにしてある。(「プロローグ」より)] 


中津文彦著『連作時代小説・塙保己一推理帖』(3冊)を読む!  2015年12月16日(水)

2015年12月25日 | 読書、本

岩手県一関市生まれで、盛岡市在住の作家・中津文彦(なかつ・ふみひこ)さんの連作時代小説『塙保己一(はなわ・ほきいち)推理帖・亥ノ子の誘拐(いのこの・かどわかし)』(『塙保己一推理帖・観音参りの女』改題)『塙保己一推理帖・枕絵の陥し穴(まくらえのおとしあな)』(『移り香の秘密・塙保己一推理帖』改題)『つるべ心中の怪・塙保己一推理帖』(以上、光文社発行)を読みました。

 最初に『塙保己一推理帖・亥ノ子の誘拐(いのこのかどわかし)を読み始めた時、前に読んでいるように思って調べたら、単行本『塙保己一推理帖・観音参りの女』(カッパ・ノベルス:新書版)を改題したものでした。

内容(「BOOK」データベースより)初冬の浅草で、吉原の大店の一粒種が誘拐され、2日後には大川端で哀れな骸となって見つかった。だが、犯人はどうやら別の子と間違えて連れ去ったらしい。この誘拐劇が、吉原独自の風習である亥ノ子の祝い日に起きたのはなぜか。苦界に生きる女の情念の炎を描く表題作のはか、享和2年の江戸を舞台に、盲目の大学者・塙保己一の推理が冴える時代ミステリーの傑作。

文庫本も単行本と同じで、第1話 観音参りの女、第2話 五月雨(さみだれ)の香り、第3話 亥ノ子の誘拐(いのこのかどわかし)、あとがき の順で構成されています。

内容(「BOOK」データベースより)年明け早々からしばしば烈風に襲われた、享和2年(1802)の江戸市中。検校・塙保己一は、幼馴染の河田屋善右衛門を訪ねた根岸の里で、不審な失火事件を聞いた。大店の隠居所が焼けて、若い母親と赤子の2人が逃げ遅れて死んだ、というのだ。両眼は光を失って久しいが、保己一には、研ぎ澄まされた感覚と、群を抜く記憶力があった。杖代わりの和三郎と共に焼け跡に足を運んだ保己一が「見た」ものは何か!~時代小説に新風を吹き込む塙保己一シリーズの幕開きを告げる傑作中編小説「観音参りの女」ほか、著者渾身の書下ろし連作時代小説。

内容(「MARC」データベースより)捕り物帖に新しいヒーローが登場!「群書類従」を著した盲目の大学者・塙保己一が、友人の南町奉行と協力して事件を解決。歴史的人物も多数登場する、文政年間の江戸市井もの。

 2冊目は、 光文社文庫『連作時代小説・枕絵の陥し穴(まくらえのおとしあな)塙保己一推理帖』(『移り香の秘密・塙保己一推理帖』改題)2010年1月20日 初版1刷発行。

文庫本も単行本と同じで、第1話 移り香の秘密、第2話 三番富の悲劇、第3話 枕絵の陥し穴(まくらえのおとしあな)、あとがき の順で構成されています。

内容(「BOOK」データベースより)裏稼業の枕絵で潤う地本問屋の北野屋に押し入った賊が、主人とその内儀を惨殺した。奪った金子は150両。重傷を負った一人娘の意識が戻らないなか、疑いをかけられた刷り師の丑蔵が頑なに口を閉ざすのは、なぜなのか。秘め事の夜が招いた一家の悲劇を描いた表題作のほか、文化爛熟期の江戸を舞台に、盲目の大学者・塙保己一が活躍する大好評シリーズ第2弾

(下2つ)B6判347ページ、単行本、『移り香の秘密 塙保己一推理帖』は書下ろし作品です。2006年3月25日初版1刷発行

(下2つ)B6判323ページ、『つるべ心中の怪(つるべしんじゅうのかい)塙保己一推理帖』2008年1月25日 初版1刷発行。

これらの本の主人公は、江戸時代の国学者で、『群書類従』『続群書類従』の編纂者として有名な塙保己一(はなわ・ほきいち)という盲人(歴史上の人物)です。名前だけは知っていても、どんな生涯だったのか知らない者にとってはとても感動する物語でした。

著者が「あとがき」に書いていることですが、「学者としての塙保己一については『群書類従』編纂の大偉業によってよくしられているが、その人物像となると探るべき手だてもあまり残されていない。先人の著した伝記や、わずかな伝承などによって垣間見るしかないのだが、多少の想像力を添加してそれらを凝視してみると、意外なほどに魅力的で人間味あふれる姿が浮かび上がってくる。超人的な記憶力に恵まれていただけでなく、すぐれた推理力の持ち主だったことがわかるし、階層を超えた多くの人々との交流もあった。学者然とした、近寄りがたい人物ではなかったのだろう。(中略)本書の物語は、享和3年(1803)というから今から200余年前を舞台にして綴ったもので、翌春には登勢がめでたく中津金十郎と華燭の典を挙げる。そして、保己一の腹積もりでは、この金十郎という若者を将来は跡継ぎにしようと決めているのだが…。

実は、この先には大きな”どんでん返し”が待ち受けているのだ。イヨは、これから保己一の男児を続けて2人生むのである。このため、塙家の跡取り問題はちょっと面倒な経緯をたどることになるのだが、それはこの後の続編でご紹介していくことにしよう。

もちろん、この連作物語では、こうした塙家の内情について興味本位で綴っているつもりはない。不世出の大学者である保己一の生涯を知っていただきたい、というのが第一の眼目である。ただ、保己一はきわめて人間味あふれる人物だったために、その身辺にはさまざまな波瀾も生じ、事件も起きた。それらを避けて通ろうとせずに、多忙の中で胸を痛めたり、あれこれ推理をはたらかせたりする保己一の姿に、共感と魅力を覚えていただければありがたいと思っている。2006年早春 著者」

[書下ろし連作時代小説『移り香の秘密~塙保己一推理帖』(2006年3月25日 初版1刷発行、単行本)より]

 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A1%99%E4%BF%9D%E5%B7%B1%E4%B8%80 [塙保己一:Wikipedia]

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%B4%A5%E6%96%87%E5%BD%A6 [中津文彦:Wikipedia]