peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

マルメロ と カリン 似ているが違う果物

2008年11月21日 | Weblog
マルメロ と カリン
「マルメロ」と「カリン」は花も果実も似ているため、混同されるこ
とがあります(長野県の諏訪地方では、マルメロも「カリン」と呼ん
でいるそうです)が、、別の植物です。どちらの果実(果物)も生で
は食べられませんが、大変香りが良いので、「香りを楽しむ果物」と
して活用されています。

この画像は、マルメロの果実ですが、バラ科 マルメロ属の落葉果樹で、
中央アジア(トルコ、イラン、イラク地方)が原産。ヨーロッパでは、
きわめて古い沿革を持つ果樹で、ギリシャ、ローマ時代から栽培され
ていたそうです。ヨーロッパ各地への伝播は、イタリアを中心とし、
812年頃にはフランスでかなり栽培されていたそうです。その後、14世
紀後半には、イギリスにおいても一般の人々によく知られた存在にな
っていたようです。

アメリカへは、初期移民のスペイン人、イギリス人、フランス人によ
ってもたらされ、居住区の庭木や家庭果樹とされていたそうです。

日本に渡来したのは、日本植物学年表で寛永11年(1634年)となって
います。この時期長崎に渡来し、マルメロの主産地のひとつである北海
道の大野町へは明治初期と伝えられています。「在来種」「スミルナ」
「かおり」などの品種があります。

名前は、ポルトガル語の「marmelo」に由来するとされています。日本
の主な産地は、長野県、秋田県、青森県、北海道です。ちなみに英語で
は「quince」、フランス語では「coing(コワン)」というそうです。

花言葉は誘惑。マルメロの花は、わずかにピンク色で、開ききると白く
見えます。バラ科のカリンやボケと、とても似ています。

この画像は、カリンの果実ですが、カリンは、バラ科カリン属(またはボケ
属)で、原産地は中国です。日本への渡来時期は不明ですが、マルメ
ロより古い時代に伝わったといわれています。マルメロと異なり、品
種として名前を持つものは無いそうです。

マルメロ と カリン の見分け方
果実では、マルメロの果実の表面には細かい白い毛がありますが、
カリンは無毛です。カリンの果実は楕円形のものが多く、マルメロ
の主な品種はリンゴに近い球形をしています。

花では、カリンの方がやや早く開花し、花弁の色もやや赤味が強い
特徴があります。
葉では、カリンの葉の縁にはギザギザ(鋸歯)がありますが、マル
メロは滑らかです。

樹の大きさでは、カリンの樹はマルメロに比べて大きくなりやすく、
8mほどになることもあります。また、カリンの樹の表面は、マルメ
ロと対照的に樹皮が目立たず、滑らかです。

果実の食べ方は、どちらも果実酒にして香りを楽しんだり、シロッ
プや砂糖、蜂蜜に漬けて柔らかくなった果肉を食べたりします。また、
マルメロ、カリンともにその加工品は、咳や痰を鎮め、喉の調子を整
える効果があるとされています。

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2 コメント

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Unknown (ムーミンママ)
2020-09-10 10:27:40
まるめろ…宮沢賢治さんを連想します。
賢治さんもよく目にしていたのでししょうね。

私の住む地域にもあるのかもしれませんが、それこそかりんと思っているかも。
よく観察すると面白いかもそれないですね。
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Unknown (マルメロとカリン(花梨))
2020-09-10 20:32:47
コメントありがとう!
「マルメロ」と聞くと高木恭三さんの詩を思い出します。今年は未だ「マルメロ」にも「カリン」にも未だお目にかかっていませんが、暑さも大分和らいできたので、取材に行ってきたいと思います。
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